沖縄そばをモチモチ生パスタに変身させちゃうバスがある【島ネタCHOSA班】


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先日、与那原町でスクールバスのような黄色い車を見掛けました。友人によると、沖縄そばでパスタ料理を作って販売しているキッチンカーかも、とのことでした。パスタ好きなので気になります。

(宜野湾市 YOYO)

それって、旧型のアメリカンスクールバスみたいなものではなかったですか? 実は調査員も見掛けたことがあり、ずっと気になっていました。

まずはネット検索。すると「ISLE PASTA LOVERS(アイル パスタ ラバーズ)」という生パスタ専門のキッチンカーが見つかりました。現在、営業している場所は南城市のイオンタウン南城大里とのこと。それでは調査開始です!

老舗の生麺使用

やって来ました、イオンタウン南城大里。駐車場で営業中の黄色いキッチンカーは、やはり目立ちます。さっそく、店主の菊城深(きくじょうふかし)さんにお話をうかがいました。

カルフォルニアで使用されていた黄色い旧型のスクールバスを改造したキッチンカー
菊城深さん(左)と妻の順子さん

あの~、沖縄そばの麺を使っているそうですが?

「はい。三角屋製麺所さんの平麺を使っています」

三角屋製麺所といえば名護そばで知られる老舗。そもそもなぜ沖縄そばなんですか? 

「以前、神奈川でワインバーを経営していたときにランチで生パスタを出していた経験から、沖縄でも生パスタを提供しようと思っていました。生パスタは東京から仕入れるつもりだったのですが、送料が結構高いことが分かって。そうなると値段を上げて売らないといけなくなる。でも、キッチンカーで値段が高いと販売は難しい。どうしようかと考えているときに、三角屋製麺所さんのそばがおいしいと聞いたんです。すぐに、その麺を取り寄せて試してみたら弾力はあるし、他のそばの麺と比べても食感が違う。ソースともよくからむし、生パスタを使うより安くて、しかもおいしい」と話します。

市販されているそばは油をまぶしているので、三角屋製麺所から直に生麺を仕入れ、生パスタにアレンジ。菊城さんは老舗の沖縄そばの麺で作れることがうれしいと笑顔を見せます。聞いたところ、生パスタ専門のキッチンカーは全国でも珍しく、沖縄初だそうですよ。

もちもち食感に驚く

ところで、キッチンカーで営業しようと思ったのはなぜ?

「県外から来たので土地勘もないし、沖縄はイベントも多いと聞いたのでキッチンカーがいいかなと思ったんです」と菊城さん。どこかに店舗を構えた場合、お客さんが来るのを”待つ“といった状態ですが、キッチンカーはお客さんがいるところに”行ける“というのが魅力だといいます。お客さんの反応はいかがですか?

「僕は先入観を持って食べてほしくないので、沖縄そばを使っているとはあまり言わないんですよ。お客さんに『おいしい』と言われて、『沖縄そばなんです』と話したときの驚きもいいかなと思っています」

なるほど、麺が沖縄そばだったと知ったときの驚きを味わうのもいいですね。ちなみにメニューには三角屋製麺所の麺を使っていると記載されていますが、気付かない人も多いそうです。

「ISLE PASTA LOVERS」のパスタは一押しの「国産牛すじのラグーボロネーゼ」や、「タコとインゲンのジェノヴェーゼ」「ナポリタン」など全部で8種類。材料は県産、国産にこだわっています。

三角屋製麺所の生麺使用「ベーコンの濃厚カルボナーラ」。箱型の容器がオシャレ。山田珈琲の本格挽きたてコーヒーもおすすめです

うれしいことに、「ベーコンの濃厚カルボナーラ」をいただいた調査員は食べてみてびっくり! もちもちしていて、生パスタのフェットチーネ(平麺)としか思えません。しかも、おいしい! 読者の皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか? 

現在、イオンタウン南城大里を拠点にしながら各地のイベントにも出店しているそうですよ。

ISLE PASTA LOVERS (菊城)

090-8393-0869
Instagram:@islepasta

(2019年12月12日 週刊レキオ掲載)