冬でも生える危険なカビ、暖かい家の窓際はアレルゲンの温床


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「カビの季節は、湿気の多い梅雨だけだと思っていませんか。実は冬も繁殖するんです」

そう話すのは、千葉大学真菌医学研究センターで、生活環境や病気を引き起こすカビについて研究する矢口貴志准教授だ。

「冬でも家の中には、湿気の多い、カビの好む場所があります。免疫力の落ちた人がカビを大量に吸い込むと、アレルギーや、ひどいと肺炎を引き起こし、死に至ることもある。ただの汚れと放置しては危険です」

そこで、矢口先生のお話をもとに、冬にも気をつけたいカビが潜む場所や人体へのリスクを解説してもらった。

「最近の家は気密性がとても高く、暖房や加湿器を使うと、部屋はつねに暖かく、湿気を帯びた空気で満たされます。すると、窓には冷たい外の空気との温度差で、結露が発生。カビの栄養分となるホコリもたまる窓際は、カビにとって居心地のよい環境となるのです」

結露をずっと放置すれば、窓サッシからカーテンにまでカビは繁殖。開け閉めするたび、カビの胞子が部屋中に舞い上がる。

「窓際に発生するのは、クラドスポリウムという黒カビや、ペニシリウムといった青カビです。これらのカビは日本の家によくみられ、大量に吸い込むと、ぜんそくなどのアレルギーを引き起こすことがあります」

冬の乾燥の味方である加湿器も湿気を好むカビの根城となる。

「加湿器につく赤カビのロドトルラは、人体にそれほど害はありませんが、エクソフィアラなど有害な黒カビのエサとなる場合があるので、見つけたらすぐに掃除を。エクソフィアラは、傷口に侵入して炎症を起こすことがあります。加湿器や浴槽など、黒カビが生えやすい場所を掃除するときは、手袋をしましょう」

「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載

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