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悩みや困難があるからつながれる 100cmの視界から―あまはいくまはい―(63)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

あけましておめでとうございます!

6年前、息子を出産する直前に決まった、オリンピック・パラリンピックの東京誘致。「この子が1年生になる夏だな、どんな子になっているのだろう」とワクワクしていましたが、もうそんな月日がたったのですね。

今年の目標は三つ。著書「ママは身長100cm」は沖縄のみなさんのおかげで大好評。この波が沖縄県外にも広まり、「ママ100」が2020年の流行語大賞になりますように。より広めてください!笑

二つ目は、わが子の味方を増やすこと。「親は子どもの100%の味方になるのは難しい」と感じる毎日だからです。ご飯をあげないといけないし、お風呂や歯磨き、明日の準備と、やることがたくさん。私の仕事や生活だってあります。

あまりに忙しく、親としての責任も重なり、子どものやりたいことに十分に付き合う余裕がないのです。

だからこそ子どもの味方になってくれる人を増やしたいのです。

子どもが安心して甘えられて、100%応援してくれる人が、一人でも多く見つかりますように。

三つ目は、若い人へのサポートをすること。子どもは適応力があって、どんな環境でも楽しみを見つける天才です。でも困難な環境にいる子どもは、将来の可能性が狭められることが多く、そこを変えていきたいのです。

車椅子も10年ぶりに新しくなり、子どもが立つ台を後ろにつけました

障害のある子が生まれると、離婚する夫婦は多く、経済的に厳しく、虐待も起こりやすくなります。私もそうなっていたかもしれない、といつも思ってしまうのです。「私は恵まれていたからラッキー」と感じるだけでなく、また周りから「あなたは恵まれていたからうらやましい」と言われるだけではなく、自分ができることをしていきたいのです。人は誰でも様々なカテゴリーに属していて、性別だったり、〇〇県出身だったり、一人っ子だったりと、マイノリティーの面も必ず持ち合わせています。

目に見えにくい悩みや困難さを抱えていて、でもそれがあるからこそ、人とつながることができ、支え合うことができるのです。

今までの私の経験と知識、そして想像力を使って、若い人に寄り添い、その人が未来をひらくサポートをしたいです。若い人の話を聞くだけかもしれないし、生活を整える手伝いをしたり、経済的に支えることもあるかもしれません。まだ方法は分かりませんが、若い人の生きやすさのためにチャレンジしたいです。子(ねずみ)年だからこそ「子」に繋がることをやっていきたいです子(ね)。よろしくお願いします。

(次回は1月21日に掲載します)

伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2019年1月7日 琉球新報掲載)