煮込み料理におすすめ 胃にもやさしいグリーンボール やさしいやさい


社会
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グリーンボールの育て方

小ぶりでまん丸なグリーンボールは
育てるのも食べるのも手頃なサイズ。
自家製キャベツに挑戦してみましょう。

監修・徳元佳代子 撮影・屋比久光史 イラスト・漢那瑠美子
商品協力・ホームセンターカインズ、(株)農協直販

キャベツをもっと食べたい方へ

まんまるフォルムで
ぎゅっと締まった葉野菜。
コンパクトサイズで
使いやすいのも◎です。

キャベツとシュークリームの不思議な関係

キャベツに関する料理がいろいろあるフランスですが、意外な雑学をひとつ。フランス語でキャベツを「シュー」といいますが、お菓子のシュークリーム(フランス語でシュー・ア・ラ・クレーム)は、形がキャベツに似ているところからこの名前がついたそうです。野菜とスイーツの意外な接点ですね。

準備する
もの

① グリーンボールの苗(本葉5〜6枚、茎が太く伸びすぎていないもの)
② 野菜用配合土
③ 鉢底石
④ 化成肥料(NPK 8:8:8)
大型プランター 
虫&鳥よけカバーセット(支柱3本+防虫ネット)

キャベツには楕円球型、平型、たけのこ型などさまざまな種類がありますが、グリーンボールは丸球種のひとつ。巻きがしっかりして、葉は厚めなのに柔らかいのが特徴です。

キャベツの原種はケールのように結球しないものだったそうで、それをケルト人がヨーロッパに広め、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツへと分化し、結球タイプになったのは13世紀頃といわれています。日本には江戸時代に観賞用として持ち込まれ、幕末に再び食用として伝わったものの、普及はしませんでした。

広がったきっかけは明治時代中期。東京の洋食店がトンカツのつけ合わせにキャベツの千切りを添えたことで評判となり、戦後の洋食文化とともに一気に普及しました。キャベツから発見された「キャベジン」ことビタミンUは抗潰瘍性ビタミンとも呼ばれ、胸焼けや胃潰瘍の予防に役立つ成分。トンカツとキャベツの組み合わせは、まさしく理にかなった食べ方なのです。

育てる時は、ヨトウムシ、コナガなどを見つけたら早めに防除し、過湿にならないようにしましょう。特に、初期にシンクイムシにやられると結球しないので注意が必要です。

サラダや浅漬けでもおいしいですが、グリーンボールは煮崩れしにくいので煮込み料理もおすすめ。寒い時季は温かい料理で楽しんでください。

 植え付け
プランターに鉢底石を敷き、高さ8分目まで配合土を入れる。株間25cmの穴を2つあけ、子葉が隠れないように苗を植える。株もとを軽く押さえた後、たっぷりと水をやる。

 支柱・ネットかけ
芯を食害されないように、植え付け後はすぐにU字に曲げた支柱を立て、隙間がないようにネットをかけ、端は洗濯ばさみで留める。

 追肥・防除
本葉が10枚ほどになったら化成肥料10gをコンテナの縁に沿ってまき、土と混ぜておく。6週間ほど経ち、結球が始まるころに葉を持ち上げて2回目の追肥をする。蛾や蝶が飛来するときはネットを外さないようにする。

 収穫
植え付けてから10〜12週間ほど経ったころ、球を手で押し、硬くなっていたら収穫する。

トマトで煮込むロールキャベツ

冬にあったかロールキャベツ。
トマトの酸味が風味を加えて体があったまりますよ!

ひき肉のうま味がキャベツとマッチした冬の定番。子どもたちにも喜ばれそう

材料
(2人分)

  • グリーンボール…1個
  • 小麦粉…適量
  • パセリ…適量

  肉だね

→すべて混ぜ合わせて4等分にしておく

  • 合いびき肉…120g
  • 玉ねぎ…1/4個(みじん切り)
     →油(分量外)で炒め、冷ましておく
  • ニンニク…1片(みじん切り)
  • パン粉…大さじ1/4
  • 塩…小さじ1/4
  • 牛乳…大さじ1/4
調味液
  • カットトマト(缶)…200g
  • ケチャップ…大さじ1+1/2
  • ウスターソース…大さじ1/2
  • 砂糖…小さじ1
  • 固形チキンコンソメ…1個

作り方

① グリーンボールは芯をくり抜き、たっぷりの熱湯で2分ゆでる。
② 葉を8枚むいてザルに広げ、冷ましてから芯の上の部分をそぎ取る。
③ 水気を軽くふき取り、小さな葉4枚に小麦粉を振って 肉だね を包み、大きな葉4枚でそれを巻く。
④ の巻き終わりを下にして鍋に入れ、調味液を加えて火にかける。
煮立ったら中火にして落としぶたをし、15分煮込んで落としぶたを取る。
時々上下を返しながら5分ほど煮詰め、器に盛ってパセリを散らす。

監修・徳元 佳代子(とくもと・かよこ)

徳元 佳代子

「ベジフルマンマ」代表者、神奈川県出身。九州・沖縄初の野菜ソムリエ上級プロ。アスリートフードマイスター1級。1981年、糸満市の農家に嫁ぎ、農業に30余年従事。2013年4月「第2回野菜ソムリエアワード」(野菜ソムリエ協会主催)で金賞を獲得。

 

 

 

(新報生活マガジンうない 2020年1-2月より転載)