優しい香りでリラックス ハーブティー、ポプリにも カモミール【やさしいやさい】


社会
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カモミールの育て方

リンゴのような優しい香りはリラックス効果抜群です。
ハーブティーでも、ポプリにも。
楽しみ方はいろいろですよ♪

監修・徳元佳代子 撮影・屋比久光史 イラスト・漢那瑠美子
商品協力:ホームセンターカインズ

カモミールを育てるコツは丁寧な水やりと気温の管理。

天日で乾燥させれば長く楽しめますよ。

2種類のカモミール、効能あるのはどっち?

「ローマン種」と「ジャーマン種」の2種があるカモミールですが、リラックス効果があるとされるのはジャーマン種の方で、ローマン種にはそういった効能はないそうです。一般的に買えるのはジャーマン種の方ですが、気になる方はお店で聞いてみるといいかもしれません。

ピーターラビットの話にも出てくるカモミールは、マーガレットのような白い花を咲かせるキク科のハーブです。多年草で花や葉にも香りがあるローマン種と、一年草で小型の花だけが香るジャーマン種などがあり、日本では後者が主流です。

原産地のヨーロッパでは4000年以上前からメディカルハーブとして利用され、日本には19世紀はじめにオランダを経由して伝わりました。りんごのような優しい芳香にはリラックス効果があり、ノンカフェインなので就寝前のハーブティーとしても親しまれています。

軟らかく水はけのよい土で良く育ちますので、ハーブ用の培養土だけでなく鹿沼土を3割ほど混ぜて植えるのもおすすめです。育苗トレーがない場合はイチゴや卵のパックに穴を開けて使うこともできます。寒さに強く暑さに弱いので、葉が密集すると病気になりやすくなり、また窒素分が多すぎるとアブラムシが発生しやすくなります。その際は牛乳を水で薄めたものをかけると、ある程度防除できます。

「やさしいやさい」の最終回は、カモミールを選ばせていただきました。カモミールの花言葉は「苦難に耐える」「逆境に負けない強さ」なのだそうです。新型コロナの状況下、可憐な花の香りや鎮静効果を利用しながら「やさしい気持ち」で新しい様式の生活をお送りいただければと思います。

 種まき
育苗トレーに配合土を入れ、軽く湿らせておく。種と少しの配合土を混ぜ合わせ、ばらまくように種をまいて、軽く押さえる。小さい種が流れ出ないように静かに水をかけ、半日陰におく。

 間引き
種まき後7〜10日ほどで発芽するので、本葉が5〜6枚になったら生育の良いものを残す。苗と苗の間が10cmほどの間隔になるよう間引きし、苗が10cmほどになるまで育てる。過湿や乾燥しすぎにならないように水をやる。

 植え付け・摘芯・追肥
プランターに鉢底石、配合土を入れ、株間を30cmほどあけて2カ所に苗を植える。水をたっぷりやり、風通しの良い涼しい場所におく。花数を増やしたい時は20cmほどになった頃、茎の先端を摘芯する。葉が黄色くなったら、一株にひとつまみ追肥する。

 収穫
花が咲いて中心の黄色い部分が盛り上がってきたら、晴れた日の午前中に花の付け根から折って収獲すると香りが残る。長い間花をつけさせるために、つぼみが残っていない枝は切り戻しする。洗った花は冷凍保存か1週間ほど乾燥させ、乾燥剤を入れた密閉容器で保存する。

生の花でカモミールティー

白い花を浮かべたハーブティーは香りだけでなく見た目も爽やか。
ほっとするひとときを楽しみましょう。

カモミールだけでもおいしく作れますが、ミントを加えるとすっきりした味わいになりますよ。

材料
(2杯分)

  • カモミールの花…10個
  • ミント…適宜
  • ハチミツ…適宜
  • ミルク…適宜
  • バター…20g
  • 熱湯…280〜300ml

水洗いした花を天日で乾燥させれば保存も簡単。お湯を注ぐだけでカモミールティーのできあがり!

作り方

① カモミールの花を摘み、水洗いしたあと水気をキッチンペーパーで拭き取る。
② ティーポットに花とミントを入れる。
③ 熱湯を注いで4〜5分待ち、ゆっくりかき混ぜる。
④ 茶こしを使ってカップに注ぎ、花を浮かべる。お好みでハチミツやミルクを加える。

徳元 佳代子

監修・徳元 佳代子(とくもと・かよこ)

「ベジフルマンマ」代表者、神奈川県出身。
九州・沖縄初の野菜ソムリエ上級プロ。アスリートフードマイスター1級。
1981年、糸満市の農家に嫁ぎ、農業に30余年従事。
2013年4月「第2回野菜ソムリエアワード」(野菜ソムリエ協会主催)で金賞を獲得。

 

(新報生活マガジンうない 2020年7-8月より転載)