元グリーンスムージーインストラクターがポップで神秘的な女の子を描くワケ ー本村ひろみの時代のアイコン(47)渡慶次恵(アーティスト)

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知人から「カラフルで可愛い女の子の絵がいっぱいだから見てきて!」とLINEがきた。私も気になっていた渡慶次恵さんの描く女性。まっすぐ正面を見据えていたり柔らかな横顔だったり。ポップでオシャレ。ガーリー。でもどこか神秘的な印象。取材を申し込んだら彼女の絵画展「encore」で会うことになった。ワクワクしながら港川のカフェレストランrat&sheepへ。出迎えてくれたのは窓一面の華やかな女性の絵。圧倒された。薄曇りの風景のなかにそこだけ春爛漫だった。



アーティストの渡慶次さんは鮮やかな赤いワンピーススタイルでにこやかにカウンターに座っていた。並んで座り、話し始めたら突然私の携帯にメールが届いた。前回取材させていただいた美術家の津波博美さんから「明日までrat&sheepでやっている絵画展、本村さん好きかも。気持ちが明るくなる絵でしたよ」と入り口の大きな女性の絵の写真を添えてのメッセージ。ビックリ!いま私そこにいるんですよ。と少し興奮しながら返信して、この不思議な縁に驚いた。



アクリルやパステルで描かれた色彩あふれる女性たちの絵に囲まれ、彼女たちのささやき声も聞こえてきそうな空間で取材が始まった。

渡慶次さんは学生時代、県外でファッションを学んだ。そのまま仕事に就きたいと思っていたところに母親から「沖縄へ帰ってきて」のひとこと。
戻ってきてから、結婚、出産、子育てに追われファッションやアートとは無縁の生活だった。
渡慶次さん自身がぜんそくやアトピーで悩んでいたこともあり、体質改善のために「食」に興味をもち、グリーンスムージーに出会う。後にグリーンスムージーのオフィシャルインストラクターとして県内外でワークショップを開催したり、週末だけのカフェを開いたりするなど「食」に関わる活動を続けていた。しかし日々の忙しさに追われ自分の「食」がおろそかになり、食の大切さを伝える立場にいながら「食を伝える」難しさにもぶつかる。ちょうどその頃、ご主人のサーフボードのフィンに絵を描いたことがきっかけで幼い頃から好きだった絵を描きはじめ、羊毛フェルトでアクセサリーを制作するようになった。



2018年、渡慶次さんは卵巣に腫瘍が見つかり手術を受けることになった。
1週間の入院の荷物にはスケッチブックと色鉛筆も入れて。入院中、時間の空いているときに夢中になって、自画像のような女の子の絵を描き始めた。瞳を輝かせまっすぐ正面を見ている女性。退院してからも自由に楽しく描いた。心の中では「やりたいことをやりたい!プライベートを楽しみたい」という気持ちが大きくなり、絵を描くことは趣味の延長と自分に言いつつも、いつの間にかそれは現実から逃避しているとことだと気づき始めた。



それまで築いてきたグリーンスムージーのインストラクターとしてのキャリア。ファンの方も家族も、彼女が「アーティストとして活動をしたい」という想いを温かく受け止め応援してくれた。「だから今があるんです」と渡慶次さんは弾ける笑顔で話してくれた。

いざ決意したら宣言をしようと決め、2019年2月22日(猫の日)に「アーティストとしてアトリエmoi(モア)を立ち上げます」と周りの人たちに宣言。
アーティストとして最初に、それまで一緒に仕事をしてお世話になったいとこの絵を描いた。すると彼女の雰囲気とはだいぶ違う女性の絵になった。しかしその絵を渡した時、「会いたかった人に会えた」といとこは喜んだという。それから渡慶次さんの描く女性は、その人の内なる部分を照らす鏡のようなものになった。





「私の中の私」を描いていると渡慶次さんは言う。
「ご依頼で、その方の肖像を描く時は、自分の好みにならないように、その人から受けとったイメージをそのまま素直に描くことを心がけています。目を描くと、その絵が自然に教えてくれるんです。」と深い愛情の眼差しで話す彼女の表情は、いくつかの彼女の絵が重なって見えた。

2020年2月に初個展を開催した際、敬愛する画家の眞榮田文子(まえだあやこ)さんが渡慶次さんの絵を見て「みんな喜ぶでしょう。これからも描き続けて下さいね」とおっしゃって下さったそうだ。
「ずっとその温かい言葉に励まされています」と嬉しそうに語ってくれた。



現在彼女の作品はデパートリウボウ2階のt-guma(てぃーぐま)でも常設展示販売されている。ポップでカラフルな女の子のパネル、バッグ、ブローチにTシャツ、ポストカード。「コレ欲しい!」がいっぱいです。




【渡慶次恵(とけし めぐみ)プロフィール】


渡慶次恵(とけし めぐみ)

1967年沖縄県生まれ
2019年2月22日atelier moi(アトリエ・モア)を立上げ
アーティストとしてデビュー。
大人な女性にこそ日々をワクワク楽しく大人可愛いをテーマに絵画、布や羊毛フェルトを用いたブローチ、ドールを制作。

個展
2020年2月「渡慶次 恵 作品展 〜moi それは私〜 」rat&sheep
2020年7月「vivre okinawa anniversary Collaboration event」vivre okinawa
2020年10月「moiそれはわたし 渡慶次恵絵画展」march lifestyle&green
2020年11月「渡慶次恵ブローチ展」vivre Okinawa

【Facebook】
https://www.facebook.com/megumi.tokeshi.9

【Instagram】
クリエイターアカウント
https://www.instagram.com/atelier_moi_okinawa
個人アカウント
https://www.instagram.com/megumi_tokeshi




【筆者プロフィール】


本村ひろみ

那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学造形芸術科修了。
ラジオやテレビのレポーターを経てラジオパーソナリティとして活躍。
現在、ラジオ沖縄で「ゴーゴーダウンタウン国際通り発」(月〜金曜日 18:25~18:30)、「 WE LOVE YUMING Ⅱ 」(日曜日 19時~20時)を放送中。



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