コロナ禍でも「求人増・時給上昇中」稼げる主婦パート3選


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「’20年4月の緊急事態宣言以降、『パート・アルバイト』の求人数は全体として大幅に減少しました。現在は緩やかに回復しつつありますが、以前に比べると求人数は少なく、仕事は選びにくい状況にあります」

こう語るのは、仕事と家庭の両立を希望する主婦層の調査機関である「しゅふJOB総研」所長・川上敬太郎さん。

度重なる緊急事態宣言により、パート先の代表格である飲食店や小売店などは時短営業や休業に。当然、バイトの募集も減少した。同社のデータによれば、特に求人が減った職種は「接客・販売」や「フード・飲食」などだそう。

とはいえ、経済状況が不安定になったからこそ“稼ぎたい”主婦も多いはず。このご時世、働き口はあるのだろうか? 総合情報サービス「マイナビ」アルバイトリサーチチームの早川朋さんが答えてくれた。

「当社のデータによると、コロナ禍の影響で、’21年1月の全職種のアルバイトの求人は、昨年1月に比べ、約4割減少しました。しかし、コロナ禍でも求人が減っていない職種もあるのです。コロナ禍でも求人が減っていない職種は、そもそも人手不足のことが多く、シフトにもたくさん入れる可能性があります」

確かに、時給が高くても、人手が余っている職場では働く時間数が少なくなり、結果として収入が少なくなってしまう。

「たくさん働けて、時給が平均よりも高ければ“稼げる”パートといえるのではないでしょうか」

マイナビが今年1月に発表した「アルバイト採用活動に関する企業調査」によると、人材確保のための施策として「給与の増額」と答えた企業が22.7%と最も多い。人手不足の業界は、高時給も狙いやすそうだ。

では現状、どのような職種の求人が多いのだろうか?

「’19年と’20年を比較すると『医療・介護・保育』『警備・清掃・ビル管理』『軽作業』『工場・倉庫・建築・土木』は、ほかの職種に比べると、求人数はそれほど減っていません」

さらに、’21年1月のデータによると「警備・清掃・ビル管理」以外の職種の平均時給は全体よりも高いという。

全職種の平均が1,106円のところ、「警備・清掃・ビル管理」は1,013円だが、「医療・介護・保育」では1,349円、「軽作業」だと1,111円、「工場・倉庫・建築・土木」なら1,158円。

つまりこの3職種が時給も高く、シフトにも入りやすい、狙い目の職種だといえる。

「実際に主婦の方がパートで“稼ぐ”と考えると、『医療・介護・保育』分野であればヘルパー・介護、『軽作業』なら梱包・検品・仕分・商品管理、『工場・倉庫・建築・土木』だと、(自動車や半導体などの)製造・ラインなどの仕事が、始めやすく、時給も高くておすすめです」

■稼ぐならスーパーよりドラッグストア

マイナビ提供のデータ(2021年1月全職種平均時給、2020年職種別平均時給、2020年・2019年それぞれの職種別求人数。時給は「マイナビバイト」に掲載されている時給表記のアルバイト求人から算出)によると47都道府県において、各職種の平均時給が各都道府県の全職種平均時給よりも高く、求人状況がよい職種にはやはりヘルパーや梱包、製造・ラインが多い。

特にヘルパー・介護は、和歌山・鳥取・島根以外の43都道府県で時給が平均よりも高く、求人数も増加傾向にある。きついイメージがある仕事だが、じつは将来を見据えた収入アップを図りやすい面があると早川さん。

「通常のパート先で時給アップとなると、自分だけではどうにもならないこともありますが、介護ヘルパーは資格に応じて時給が上がるケースが多いです。資格取得支援制度を備えた職場もあり、無資格で働き始めても、働きながら資格を取って昇給を目指すことができるんです」

一方「コンビニ・スーパー」の時給は全都道府県でその地域の平均よりも低く、求人状況も多くの地域で「ドラッグストア・量販店」に比べ低調だ。スーパーとドラッグストアであれば、ドラッグストアのほうがシフトに入りやすい可能性があるということだ。

また、早川さんによると、コンビニやスーパーは「求人が出てもすぐに埋まってしまうことが多い」のだとか。さらに、ファミリーレストランや事務職も全体的に求人数がかなり減少しており、なかなか採用してもらえない状況にありそうだ。

最後に、しゅふJOB総研の川上さんが「今後の働き方」について話してくれた。

「日本では、共働き世帯であっても『収入のメインは夫で、妻は補助的』という形が多い。先の見えないコロナ禍の中で『世帯収入の安定』を目的として働くのであれば、まずは『求人が多い』ところを狙って確実に仕事に就くことを最優先すべきでしょう」

とにかく稼ぎたい、そんなあなたはヘルパー、梱包、製造・ラインを狙って働いてみては。

「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載

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