シニアと暮らす 第1回


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

プレビュー
健康を考えたフードや獣医学の進歩などさまざまな要因によりペットの寿命は伸び、高齢のペットと暮らす飼い主さんが増えています。そこで今回からシリーズで、シニアと暮らす飼い主さんの話を紹介します。

うみさんとプント

シャンプーは手作り石けんで

子どものころから犬を飼っていて獣医師になることが夢だったという岩田うみさん。結婚してはじめて迎えたのが「プント」。ビジョンフリーゼとチャイニーズクレステッドドッグのミックスで、11歳を迎えたシニア犬です。

「病気も少なく陽気な性格と評判のビジョンフリーゼを探していたときに出合いました。夫は手間がかかるからと犬を飼うのを反対していましたが、今ではプントにぞっこんです」と笑う岩田さん。毛が抜けないので部屋も汚れず、明るい性格で岩田夫妻の暮らしに潤いを添えています。

特技は誰とでも仲良くなれること

手作り石けんやアロマ、メディカルハーブなどの講師を務めている岩田さんは、プントの皮膚が弱かったことから犬用石けんを学び「犬の石けん処方士」に認定され、シャンプー用の石けんを手作りしています。さらに「プントのために、もっと犬のことを知りたい」と、犬と飼い主両方の心と体の健康に役立つケア「プレイズタッチ」の資格を取得し、現在はペットの栄養学を勉強中です。

一緒に歳を重ねて

犬連れができる場所は、プントを連れていきますが、外出時に着けるマナーベルトには人間用赤ちゃんオムツを使っています。ペット用オムツより安い人間用のオムツは、肌に優しくテープもついていて便利なので介護用オムツにもおすすめだそうです。

安くて便利な人間用オムツ

飼い主のペースに合わせて散歩できるように時間やコースは決めていません。万が一迷子になったときに自力で帰ってこられるように、いろいろな風景や匂いを体験させるためにルートを変えて歩いているそうです。そんな散歩が大好きなプントですが、9歳になったころから異変が見え始めました。

「後ろ足が弱くなりプルプル震えるようになりました。若い頃はリードをひっぱっていたのに、今は後ろからついてくるようになりました。お互い同じように歳を重ねているので、私にとってもほどよいペースなんです」とプントを思いやります。

ソファにペット用マットを敷き、足元にはペット用カーペットを置いて足腰対策も万全

自宅でもさまざまな対策を施しています。ソファから降りる場所にクッションを敷いたり、足腰に良いと言われるムラサキガイのサプリメントを与えたり。下痢もしやすくなっているのでお腹を冷やさないように注意を払っているそうです。

関節ケアのムラサキガイのおやつ(左)とサプリメント(右)

最後にシニア犬と暮らす楽しさを尋ねると、「若い頃は動きも速くてワチャワチャしていましたが、今では動きがゆっくり。一緒にいても疲れず、おだやかな時間を過ごせることですね」と笑う岩田さんでした。