女性が家主になるのはおかしいこと?結婚前提じゃないと同居はダメ? 100cmの視界から―あまはいくまはい―(94)

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新年度になり、新生活を始めた人も多いのではないでしょうか? 私のヘルパーさんの一人が、パートナーと暮らすために引っ越しを検討中。彼女はヘルパー歴15年のベテランで、私が最も信頼している一人です。しかし不動産会社の審査で難航したのです。

「書類にはパートナーのことは婚約者と書いてください」と言われ「結婚や出産の予定は?」と聞かれたそうです。家主に彼女の名前を書いたら、書類は保留にされ「普通は男性ですよ」と担当者に言われる始末だったといいます。

女性が家主になることはおかしいのでしょうか? 同居を始めるカップルは、結婚が前提でないといけないのでしょうか? また就職や昇進のとき、結婚、出産の予定を聞かれることはマタニティーハラスメントに当たります。人が生きていくのに最低限必要な衣食住で、こんなにも差別的な対応をされるとは、日本がジェンダーギャップ指数120位なのもうなずけます。

私のように障害があると、引っ越しの際にバリアフリーの物件を探すのが大変です。いい部屋が見つかったとしても、障害者が一人で暮らすと知ると、不動産会社や大家から渋られることも多いです。同性カップルも入居を断られたり、外国人には貸さないと言われたりすることもあります。


今年は例年よりも早く桜が咲きました

家族4人で暮らす人や3世代で同居する人もいれば、一人暮らしや、シングルで子育てをする人、未婚や同性カップル、障害があったり病気だったり、外国出身だったりと、いろいろな人が、それぞれの形で暮らしています。でも「普通」の基準から外れると、部屋を借りるときや、進学、就職で選択肢そのものが少なく、ハードルが高くなりがちです。この「普通」の基準は誰が、何のために、いつ作ったのでしょうか。苦しむ人や困る人が出るものならば変えていきませんか。

時代は目まぐるしく変わり、私たちは賢く、常に進化し続けています。社会のルールも選択肢も、それに合ったものにアップデートしたいですね。新しいことが始まる4月だからこそ、今まで困っていたことに少し目を向け、声を上げ、新しいやり方やルールを作ってみませんか? 変えていくことは時には大変ですが、一緒に動いてくれる仲間がいたら一歩前進します。自分の悩みを伝え、相手の話も聞きながら、いろいろな人が生きやすい毎日に変えていきましょう。


(次回は4月20日掲載)



伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2021年4月6日 琉球新報掲載)

 


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