「SNSで出会った人に簡単に秘密を教えない」-モバプリの知っ得![136]


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SNSではさまざまな人との出会いがあります。学校にはいない共通の趣味を持つ仲間や、住んでいるところが近いなど、場合によっては優しく相談に乗ってくれる人が現れるかもしれません。その反面、何か悪いことをたくらんでいる人が皆さんを狙うことがあると意識しておきましょう。悪いたくらみを隠し、優しいふりをして仲良くなった後に脅迫することを「チャイルドグルーミング」※1と呼びます。一度仲良くなった相手からのお願いなどは断りにくいので、それを逆手にとって一度仲良くなるという手段です。

特に、個人間でのやりとりになって他の人からは見えないDM※2でのやり取りでは、犯罪に巻き込まれてしまう被害が後を絶ちません。より一層の注意が必要です。「この人は信頼できる人だ」と安心して、自分の秘密や個人情報を教えてしまうと、「拒否すると秘密をバラされてしまうのでは」と怖くなり、余計に嫌と言えなくなってしまいますね。SNSで知り合った人に「自分の情報をどこまで伝え、何を伝えないのか」をしっかり考える必要があります。DMのメッセージが届いて深い話になる前に「続きは表で」などと伝え、相手との適度な距離をとってみましょう。
 

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

また、直接的に脅迫されていなくても、「相手に秘密を知られている」というある種の恐怖でNO が言いにくい関係性が生まれるという事象があります。実際に、私のところにも「SNSである人に情報を教えたら、それを逆手にセクハラ被害にあっているが、言い出しにくて泣き寝入りしている」という相談がきたことがあります。

「脅迫」と聞くと、悪意を持って行っているイメージがありますが、秘密を教えることで結果的にNO を言い出しにくく、「直接脅してこないけど選択肢が狭まれる状況」に置かれます。またプライバシーをインターネット上に出されると、完全に削除することが難しいです。

はっきりと自分の個人情報を伝えなくても、何気なくやり取りした会話の情報をつなぎ合わせることで学校の名前や住んでいる場所が特定されることもあります。さらに、家族や学校の友だちの悪口や不満なども脅迫の材料に使われることがあるので注意が必要です。

※1 チャイルドグルーミング … 今年5月の記事で詳しく解説しています。気になる方はこちらもチェックしてください。

※2 DM … SNSで個別にやり取りができる、ダイレクトメッセージのことをDM(ディーエム)と呼びます。他の人から見えないやり取りになるので油断して秘密や愚痴を書き込みがちです。しかし、相手と仲たがいしたり、相手が「チャイルドグルーミング」をたくらんでいると、このDMの中身が脅迫のネタにされることがあるので注意が必要です。DMはフォローしている人以外に受信できない設定などがあります。悪質な宣伝スパムDMが来ることもあるので、受信したすべてに返事する必要はありません。
 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

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【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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