意外と知らない「ゲームの対象年齢」 モバプリの知っ得[159]


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子どもたちがゲームに熱中しすぎていることで、頭を悩ませている保護者も多いのではないでしょうか(私もそのうちの一人です)。子どもたちがゲームで遊ぶ際は、親子間でルールを決めると思いますが、そもそも私たち大人も彼らが遊んでいるゲームについて知らないと、本質的な意味でルールを決めることができないでしょう。子どもたちに人気のゲームは昨年に引き続き「フォートナイト」「荒野行動」「Apex Legends」などの対戦ゲームでしたが、これらの小学生に人気のゲームが「対象年齢15才以上」になっているのをご存じでしょうか。

あまり知られていないかもしれませんが、ゲームソフトは内容に応じて対象年齢を区別する「レーティング制度」が設けられています。CERO(コンピュータ・エンターテインメント・レーティング機構)の審査を受け、暴力的な表現、キスや下着の露出などの性表現が入ると対象年齢があがっていくようになっています。なお、日本でのレーティングにおいて、フォートナイトは「15才以上対象」、Apex Legendsは「17才以上対象」となっています。このレーティング制度は、あくまでも目安です。法的な規制ではないし、拘束力を持っているわけでもありませんが、対象年齢に達していない小学生に大人気という少しねじれた状態になっています。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

こうした対戦ゲームをやっていると緊張感からアドレナリンやドーパミンが出て、とてもスリリングで刺激的です。しかし、言い換えると心や身体に負担がかかるので、小中学生が長時間行うと眠れなくなったり、攻撃的になったり、友人間での揉め事がおきやすくなるということです。小学生に人気のあるYouTuberや漫画雑誌などがオススメをしていたことで、対象年齢以下の子どもたちに情報が広がり、ゲームがさらに人気になるという効果もありました。保護者からすると禁止にしたいところでしょうが、子どもたちの共通の話題になっている部分もあり、禁止とルール作りのさじ加減が求められるでしょう。

例え禁止したとしても、彼らが成長していく過程で適度な距離感で付き合っていくことを学ばないと、大人になってから付き合い方をわからず、依存してしまう恐れがあります。そこで一つ提案したいのは「ゲームをする時間帯」を決めることです。日中だけ許可して、夕方以降はやらないということを心がけると、夜眠れなくなる心配もなくなります。冬休みや年末年始のお休みでゲーム時間が増えるかもしれませんが、「プレイする時間帯を決める」など、両者間で話し合って納得のいくルール作りを心がけましょう。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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