ゴーヤー好きな「オズワルド」、 食べてみたいのはヤギ汁とイラブチャー


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「M-1グランプリ」決勝の常連で人気もあり、名実ともに評価の高い漫才コンビ「オズワルド」。のっぽで癒し系の畠中悠さんがボケて、メガネの伊藤俊介さんがシュールな言葉でツッコみ、笑いを巻き起こします。沖縄に来るのは3回目だという2人ですが。自由時間が少なく思い出がまだあまりないとのこと。どんな気持ちで過ごしているのか聞いてみました。

聞き手:饒波貴子(フリーライター)

テレビ、ライブに引っ張りだこの若手実力派の漫才コンビ「オズワルド」。出会いは2011年、よしもとの養成所・NSC東京校で別の相方と活動していた畠中悠さん(左)と伊藤俊介さんだったが、それぞれが解散。2014年にコンビを結成した。

実家の昆布、沖縄のみなさんが食べているかも!?

―沖縄にようこそ! 印象など教えてほしいのですが、2人で来た初回は「喫茶店でネタ合わせをして時間が過ぎた」そうですね。本当ですか?

畠中:そうなんですよ。初めて来た時は、ネタ合わせで一日が終わってしまいました(笑)。これまで人生で3回来ましたが、まだ沖縄らしいことがあまりできていません。海を見たり街を歩いたりしていないんです。でも8月に来て、夏の沖縄はいいなと思いました。南国に来たな~と思える気持ちのいい暑さです。東京の暑さはイヤなので、気候の違いを感じました。

伊藤:沖縄には温厚な人が多い印象です。芸人の先輩、大自然のロジャーさんは兄貴のような雰囲気があり、そんな人が多いんだろうなというイメージです。ヤンキーが多いと聞いたこともあります。

―「ここ行きたい!」と考えている場所はありますか?

畠中:海に行ってみたいですね。そして北部はどうなっているのか、見てみたいです。来ると那覇中心なので、他の地域は全然違うのかな!? など思っていますよ。

伊藤:高校の時の修学旅行で来て、その時は首里城や国際通りをはじめいろんなところに行きました。大人になってからは一回も行けてないので行ってみたいですし、やっぱり海に行きたいですよ。

―伊藤さんは千葉出身。私は千葉の海に行った時、意外にきれいだなと思ったんですよ。

伊藤:千葉の海は場所によりますね。サーファーが多いところは汚くて、奥の方が良いと思います。沖縄のような穏やかなビーチはないので、そういうところでゆっくり海を見ながら過ごしてみたいです。そして石垣島にも行きたいと思っています。実は結構知り合いがいて、同期の芸人だったヤツが辞めた後に石垣に行き、ガールズバーをやっていたりするんですよ。順調みたいです。

―石垣に足をのばしたり、今後も時々沖縄に来ていただきたいです。

伊藤:来たいです本当に。日帰りではなく泊まりたいです。

畠中:飛行機に乗ったら2時間ちょっとですから、遠いとは感じません。去年の8月は一週間に2回来たんです。アインシュタインさんの全国ツアーの沖縄公演にゲスト出演し、一回東京に戻って3日後に空気階段とのトークライブでまた来たんです。なかなかない体験でした。

―でも来る機会はあっても海に遊びに行ったり、ゆっくりごはん食べたりはできないのですね。

伊藤:初めて夕飯食いに行かせてもらった時は、アグー豚のしゃぶしゃぶを食べました。コショウを溶いて卵につけて食べて、めちゃくちゃおいしかったのでまた行きたいです。

畠中:この前食べた海ぶどうがおいしかった! 口の中であんなに弾けるんですね。驚きました(笑)。

伊藤:ステーキも食べました。やわらかくて本当においしかったけれど、アメリカ味って感じのソースが実はあまり口に合いませんでした。

畠中:酸っぱくて好き嫌いのある味でしたね。塩で食うのが一番うまくて、お肉がでかくてやわらかくてとてもおいしかったです。 東京でも時々はステーキを食べますが、沖縄の人はお酒を飲んで締めに食べると聞きました。本当ですか? それは考えられないです(笑)。

撮影:小橋川恵里奈

伊藤:飲み終わった後のステーキは、正直無理ですね。

畠中:それから、ゴーヤー弁当があるのは沖縄ならでは。ゴーヤーチャンプルー、すごく好きなんですよ。

伊藤:ゴーヤーは、俺もめちゃくちゃ好きです。天ぷらとか食べていますよ。

畠中:北海道の実家でも、ゴーヤー料理はよく出ていました。

―畠中さんの実家は昆布漁師だそうですね。沖縄は昆布の消費量が多い県だと以前から聞きますし、身近な食材です。

畠中:何でですかね、昆布はとれないのに。

伊藤:お前のとこの昆布が、沖縄で食べられているかもしれないね。

畠中:そうかもしれないですね。昆布の産地は大体が北海道でしょう。昔の時代の物々交換で、沖縄に広がったと聞いたことがあります。昆布でだしを取るんですよね!?

―だしもとりますが、細切りにした「クーブイリチー」も一般的です。昆布の炒め煮です。

畠中:へ~、そんな料理があるんですね。ラフテーの上に載っていたりもありますね。

―「クーブイリチー」はぜひ食べていただきたいし、行きたいところもいっぱいあって沖縄を知るのははこれからですね。

伊藤:そうですね。来ても時間がなくて、公演を終えて夜しか空いている時間がないんですよ。それでもどこか行けるといいなと思っていますし、次はやっぱりゆっくり来たいです。

沖縄に行きたくてライブを計画

―よしもと沖縄の芸人さんと交流はありますか?

畠中:数組とは一緒にライブをやりました。

伊藤:ありんくりんとはライブの後に飯を食ったことがあり、「ザ・沖縄」というイメージのコンビだと思っています。カシスオレンジはじめ何人かとは人狼ゲームをやったし、オリオンリーグさんが東京にいらっしゃったころはライブで何回か一緒になったことあります。

―普段の活動について教えてください。空気階段さんとのツーマンライブ「蟹」は、どうやってタイトルを付けましたか?

伊藤:理由はないです(笑)。グループLINEで「ライブ名どうしよう」となった時にみんな適当に考えて、かたまりが「蟹」って出したんです。「じゃ~蟹にしようか」ってくらいの感覚で、適当に決めたタイトルです。東京では「有楽町蟹」、「渋谷蟹」などですね。

畠中:開催場所を頭に付けます(笑)。「沖縄蟹」ってなるとヤシガニみたいですね(笑)。

撮影:小橋川恵里奈

―空気階段さんと始めたのは、仲良しだからですか?

畠中:はい。同期でもあるし、ライブに付いてもらいお世話になっている構成作家さんが同じ、ということもありライブを始めました。

伊藤:僕らは漫才、空気階段はコント。はっきり分かれているから良いんです。例えば賞レースの時期が始まって、空気階段が優勝した時は心の底から喜べました。オズワルドは「キングオブコント」には出ないし、空気階段は「M-1グランプリ」には出ない。だからライバル的な悔しさがゼロでしたし、優勝したらめちゃくちゃうれしい。そういう落差があっての2組な気がしますね。

―そんな2組によるライブなんですね。

伊藤:そうです。基本はトークライブです。

畠中:広島や北海道など地方公演もやりましたよ。

伊藤:結構行ったな~。福岡、沼津、京都・・・西日本が多いですね。「地方公演やった」みたいに言ったけど、北海道は行ってないと思う(笑)! 

畠中:何をやってきたのか記憶がないんですよ(笑)。去年の8月には沖縄で開催しましたし、これからはもっといろいろなところに行きたいです。東京で月に1回やっていましたが、最近は隔月とかになってきました。

伊藤:空気階段のもぐらの足の手術とかあって、バタバタしましたね。

畠中:東京の公演を隔月にして、その間に地方を回る。月に1回どこかで蟹をやっていることになるので、それが一番いいと思っています。

―沖縄でやろうと思った理由はあったのでしょうか?

伊藤:沖縄に行きたかったから。僕ら2組と構成作家さんで地方に行って、ライブをしておいしいものを食べて帰ろうというコンセプトです(笑)。

空気階段とオズワルドがツーマンライブ『沖縄蟹』を開催。ありんくりんをゲストに迎え、道ジュネーに挑戦した(2022年8月14日@沖縄市民会館)

―最高ですね(笑)!

伊藤:はい(笑)。沖縄にはとにかく行きたかったので、いるだけでめっちゃ楽しいです!

―沖縄のお客さんの反応はどうですか?

伊藤:東京とそんなに変わらないです。

畠中:沖縄の人だからどうってことは多分ないでしょうが、僕らをどのくらいの人が知って好きでいてくれているのか、というのが気になります。去年やった「沖縄蟹」は、ネタを披露しないゆる~いトークライブだったんですよ。沖縄にばっちりマッチした可能性がありますね(笑)。

伊藤:褒めすぎだよ!

泡盛・タバコ・料理、親しんでいる沖縄文化

―テレビ番組で畠中さんがギターを弾きながら歌を作っているのを見ました。以前から作曲活動をしていましたか?

畠中:コロナ禍で休みが続いた時期があって、生まれて初めてギターをやってみたんです。同居している「大鵬」というコンビの太朗はギターが弾けるので教えてもらい、自分の曲が作りたくなりました。下手なんですけどね。2020年から作り始めて、20曲くらいあります。昔から中島みゆきさんや吉田拓郎さんが好きで、中学生くらいからギターを弾いてみたくて・・・でも僕がやるとカッコ悪いかなと思ったり、チャンスを逃したりしてやらずに過ごしてきました。ですが長い休みという大チャンスが来て、コロナ禍中に自宅で教わりながら練習できたんですよね。

伊藤:作った歌、いい歌なんですよすごく。

「オズワルドと空気階段と沖縄芸人のネタ60分」で漫才を披露。爆笑を誘った(2022年8月14日@沖縄市民会館)

―歌も上手ですごい才能ですよね。ライブで歌ったりはしませんか?

伊藤:もうやっていますよ。

畠中:もっと練習したいなと思っていますが、一応「蟹」ライブのテーマ曲を作ったんですよ。4人でバンドを組んで各々楽器をやる企画もあったんですけど、あまりにも練習しないので企画自体が空中分解しました(笑)。

伊藤:毎月同じ歌を同じくらいのクオリティーでやっていましたね。

畠中:誰も上手くならない(笑)。ライブの日にちょっと楽器に触るくらいだったので、上手くなる訳ないんですけど。

伊藤:僕は三味線担当。

畠中:かたまりがアコーディオンでもぐらがドラム、僕がギターと歌をやっていたんですけど、本当に一切練習しないので企画は無しに。復活は無理でしょうね。

伊藤:熱量がない! 練習しようと思えませんでした。

―では楽器を続けているのは、畠中さんだけなんですね。

畠中:そうなんですよ。趣味でやっているだけですが、楽しいんですよね。創作活動が好きなので、歌を作っている時は本当に幸せな時間です。

撮影:小橋川恵里奈

―伊藤さんが興味あるのはどんなことですか?

伊藤:飲みにいくことくらいですかね。沖縄でも飯食いに行った時に泡盛を飲みました。東京でも飲む時があって、残波が好きです。お酒の中で一番好きなのは、麦焼酎ですかね。

―沖縄のタバコは吸いますか?

伊藤:金属バットの友保さんがうるまを吸っているので、もらって吸う時はあります。

畠中:うるまっておいしいの? 吸ったことないけど。

伊藤:全然おいしいです。普段吸っているのはセブンスターですが、代わりにうるまでも大丈夫です。

―泡盛もタバコも、沖縄産に親しんでいて違和感はなさそうですね。

伊藤:ないです、全然。

畠中:東京には沖縄料理屋がいっぱいありますし、料理をはじめ沖縄の文化は、すごくなじみがありますよ。ミミガーは食べたことありますよ。豚の顔はまだありませんけど。

―チラガー(豚の顔の皮)は私も食べたことありません。刺し身や汁物などヤギ料理が食べたいという観光客の方は少なくなくて、最近は冷凍やレトルトで販売されています。

伊藤:うまいですか!? 臭みのあるジンギスカン鍋が好きなので、ヤギ汁は好みかもしれません。

畠中:青いイラブチャーとか、沖縄らしい魚も食ってみたい。うまいといいな。

―ヤギ汁にイラブチャー、口に合うのか感想を楽しみにしています。沖縄の食をぜひ楽しんでください。

YouTube:オズワルドのおずWORLD
https://www.youtube.com/channel/UCOvnWpyXy4qpgglnnb7KE6A

「ハイサイ気分」
ようこそ沖縄へ! 本土から来沖する有名人を歓迎する、連載インタビュー。近況や楽しいエピソード、沖縄への思いなどを語っていただきます。

【オズワルド プロフィール】

☆畠中悠(はたなか・ゆう)/左

性別:男性
生年月日:1987年12月7日
身長/体重:180cm/80kg
血液型:B型
出身地:北海道 
趣味:映画鑑賞、ドキュメント番組を見る、素敵なシンガーソングライターを探す、泣ける動画を見る
特技:オリジナル長渕さんぽい曲を作る、家が昆布漁師のため良いだしをとることができる、野菜を上手に切る
出身:2011年 NSC東京校 17期生

Twitter @hatanakayuuuuu
Instagram @hatanakayuuuuu
 

☆伊藤俊介(いとう・しゅんすけ)/右

性別:男性
生年月日:1989年8月8日
身長/体重:166cm/53kg
血液型:A型
出身地:千葉県 
趣味:タバコ、パイプ、料理、お笑いライブめぐり
特技:サッカーのコーチを6年間やっていたため100人の子どもならまとめられます、行っていたバイトの影響で何も感じずに土下座ができる
出身:2011年 NSC東京校 17期生

Twitter @ozwalditou


◆インフォメーション◆

◆ライブ「オズワルドさんったら、もう!」

2/17(金)20:20開場 20:40開演

会場:ヨシモト∞ホール(東京都渋谷区)
【前売・当日】:2000円
【配信】1200円
 その他にも出演公演多数!!
 FANYチケット(https://yoshimoto.funity.jp/)、FANYオンラインチケット(https://online-ticket.yoshimoto.co.jp)にて「オズワルド」で検索!

◆「オズワルド伊藤俊介エッセイ『一旦書かせて頂きます』(仮)」

各販売サイトでの予約受付中!

2020年9月からスタートした「ダ・ヴィンチWeb」の連載「一旦書かせて頂きます」で公開した作品や、2020年4~5月に自身の「note」に投稿していた作品などを中心に、加筆・修正を加え、一冊にまとめ上げたエッセイ集となります。

【タイトル】「オズワルド伊藤俊介エッセイ『一旦書かせて頂きます』」(仮)
【価格】1650円(本体1500円+税)
【発売日】2023年4月3日(月)発売
【ページ数】本文244P予定

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。