誰もが生きやすい社会って?

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働くことの楽しさ、つらさを話す(左から)上條絵梨さん、上里エリカさん、徳田仁美さん

 「琉球新報Style」開設に合わせて、県内の20~30代の女性3人を招いた座談会を開催しました。仕事、子育て、趣味、これからのライフプラン-。沖縄で暮らす女性たちの率直な意見から、「女性が自分らしく輝ける働き方とは?」「多様な生き方を認め合える社会とは?」というテーマを一緒に考えました。座談会に出席したのは上里エリカさん(30)=STUDIO KUROBERIKA/沖縄女性起業サポーターネットワーク事務局、上條絵梨さん(33)=りゅうせきロジコム本社管理・企画担当(りゅうせきから出向中)、徳田仁美さん(26)=沖縄銀行個人部リテール営業Gの3人。司会は琉球新報Style編集部の座波幸代。

◆働きやすい社会って?

上里エリカ(以下上里) 働きやすいですか?出産後働き方は変わりましたか?

上條絵梨(以下上條) 残業ができなくなったので、締め切り前はお昼時間にも作業をすることはある。時間が限られている分、以前より集中している感じはする。うちの会社は女性の先輩が多いので働きやすい。小学校3年生までの子どもがいる社員は定時を30分早めたり、遅めたりできる時差出勤があるので、私は30分早く出勤して早く帰っている。午後5時の鐘が鳴ったら男性の先輩が「お迎えの時間だよ。帰る時間だよ」と言ってくれる。部長も「みんな子育てを経験しているから気持ちは分かる。つらい時は言ってよ、配慮するから」と言ってくれる。

一同 CMみたい。すてきですね。


「好きなことをして生き生きしたい」と話す上里エリカさん

―働いている女性の方が家事も仕事も育児もとフル回転している。こんなつきあいがあったらいいなというのはありますか?

上里 ママになると孤立しちゃう。昔ならコミュニティーがあって血がつながっていないけどみんなで子育てする「ゆいまーる」の精神があったと思うんですけど、今はない。昔に戻るじゃないけど、そんなコミュニティーがあれば。

―働いていて不安やつらいと思うことはありますか?

徳田仁美(以下徳田) 不安はある。子どもを出産したとして、実家から遠い場所に勤務になると実家を頼れない。子どもが急に熱を出して保育園に迎えに行かないといけないとき、その場で仕事を置いて帰れるのか。

上條 こないだ子どもが急に熱を出して、病院に連れて行った。(私の)親が休みだったので、親に預けて出勤した。でも子どもが体調悪い時に仕事をしている罪悪感があった。

上里 悩むんですよね。休もうか仕事に行こうか。

上條 年休の数は限られているし、仕事もたまっているし、周りに迷惑かかるし・・・と葛藤して。(子育て、仕事)どっちの責任もあるから。

 

上里 育休中仕事したいと思った?それとも仕事復帰はまだいいと思った?

上條 1人目ということもあって生んだ直後は、育児ってこんなに大変なんだ、仕事の方が楽だなと思った。でも慣れてくると楽しいって。1歳近くになると動き回って目が離せなくなると預けたい。そんな感じ。


育休から復帰したばかりの上條絵梨さん

◆多様な生き方

―上里さんはいろんな仕事をしてきたそうですね。

上里 小さいころから物作りが好きでデザイナーになるのが夢だった。那覇工業服飾デザイン科を卒業して、ショップ販売員に就職したんですけど挫折してしまって。その後紆余曲折あって。出産を機に自分の好きなことで人の役に立てたらと思って、物作りに力を入れて活動している。私は親が苦労している姿を見てきた。子どもながらに「もっと生き生きと過ごしているお母さんの姿を見たかった」というのがあったので、私は自分の好きなことで生きていたいと思った。

徳田 かっこいいですね。

―結婚している、していない。子どもがいる、いない。会社勤めでも正社員、派遣、パートといろんな人がいる。

上條 小中高、大学と何となくきて就職した。でも会社に入ったらいろんな人がいた。そんな人たちを見て「私はなんて普通の人生だったんだ」と刺激を受けて、会社からお休みをもらってカナダに1年間留学した。もっと早くいろんな生き方があると知っていたら、違う生き方をしていたのかなと思う。

徳田 私は人と話すのが好きだが、プライベートでは価値観の合う友達ばかり。場所が変わると価値観が違う人と話す機会が増える。そんなこと最近ないなと思った。

◆つながること

―誰かと出会ったり、こんな生き方がある、と知るのはいいなと思いますか。

徳田 一歩踏み出している人はキラキラしている。自分にないものを持っている人はいいなと思う。

上里 いろんな生き方があってもいいじゃんと思う。私の親世代は「就職するなら大きい企業、役所に入りなさい」みないな感じで言うけど、その人の個性が仕事になる生き方が増えてもおもしろい社会になると思う。そんなことが認められる社会になったら新しいものが生まれる。

―生き生きと働くために何が必要だと思いますか。

上里 お金がなくても幸せって感じられる価値観があってもいい。自分のやりたいことでお金を稼げればそれでいい。お金があってもいいし、なくてもいいし、それぞれが生き生きとしていたらいいな。一つの価値観に縛られないことが大事かなと思う。

上條 みんな同じ価値観だと息苦しくなるんですかね。

◆女性のチカラ


「ワークライフバランスが取れている時が幸せ」と話す徳田仁美さん

―沖縄銀行さんもりゅうせきさんも女性登用が進んでいます。企業で女性が軸になることで変わる事ってありますか?

徳田 沖銀の方針として、お客様に対する気遣い、お客様満足度を向上させることに対して女性が活躍する場をどんどんつくっている職場だと思う。

上條 女性が管理職にいると雰囲気ががらっと変わる。「家庭どんな?」とか気を遣ってくれる。女性はおしゃべりが好きだからコミュニケーションを取ってくれるので、部署の雰囲気が和む。同性で育児も仕事も両立している人が近くにいると私も頑張ろうと思える。

―沖縄には起業する女性も多い。そんな女性たちの支援をしていて感じることはありますか?

上里 独身の時にばりばり仕事をしていても結婚して、子どもを産むと一回ストップする。仕事だったり、やりたいことだったり。その間に女性はいろいろ考える。本当にやりたいことは何かって。育児中に趣味からやりたいことを始める人は多いけど、残念ながら継続するのが難しい。女性はやりたいことを見つけたときに1人ではやらない方がいい。家族、友人、いろんな人の助けを借りて始めた方が継続する。


座波幸代編集長

―今日来る前と今で変わったことはありますか。

徳田 私は将来的に結婚後、仕事と家庭を両立できるか不安もあったけど、今日お話を聞いて両立できるなと感じ、今後のライフプランに影響を受けました。

上條 (出産前は)仕事が楽しくて自分なりに一生懸命だったけど、今は自分の納得いくまではできない。(会社の)先輩たちを見ていても思うのが、「バリバリ仕事に集中できる時期」があって、結婚したら子育てと仕事の両立期があって、ある程度子どもが大きくなったらまた仕事に集中できて、管理職になって。その時期があることを再確認した。今の私は仕事と育児の両立を頑張る時期。

―違う人とつながるから見えてくる。違うけどいいねと思える情報、集まる場をつくっていきたい。

(敬称略)


【参加者プロフィル】

上里エリカさん(30歳) STUDIO KUROBERIKA/沖縄女性起業サポーターネットワーク事務局。2歳の息子を育てながら、「沖縄・自然・再生」をテーマにものづくりを生かした起業を目指す。

上條絵梨さん(33歳)  りゅうせきロジコム本社管理・企画担当(りゅうせきから出向中)。入社12年目。昨年、第一子を出産し、5月に1年間の育児休暇から復帰したばかり。

徳田仁美さん(26歳)  沖縄銀行個人部リテール営業G。入行5年目。4月に八重山支店から戻り、現在、那覇東エリア担当資産運用アドバイザーとして首里地区の6店舗を回る。

司会 座波幸代(琉球新報Style編集部)

座談会終了後、上里さんの息子を囲んで談笑する3人

【撮影協力】 沖縄ガールズスクエアBiz-Cafe (沖縄県那覇市松山1-3-18 フォレシティ松山3階)

新しいことを始める女性を応援するシェアスペースと仲間づくりの場。

「何かにチャレンジしたい」という人や、リラックスした時間を過ごしたい人、友達とおしゃべりしたい人、起業を目指す作家たちの作品を見たい人など、誰でも利用できます。授乳室、キッズルームあり。

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