アートで島を再発見!〈づめレポ 5〉


アートで島を再発見!〈づめレポ 5〉
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沖縄本島から南に400km、八重山諸島の玄関口・石垣島―。

大自然に囲まれたこの島で11月29日(水)~12月17日までの3週間

「文化庁メディア芸術祭石垣島展~ひかりきらめくイマジネーション~」が開催されます。

アートに包まれる島の様子を随時レポートします。

 

 石垣市民会館大ホールで12月7日(木)、シンポジウム【島で広がったメディア芸術の世界】が開催されました。

 講師として登壇したのは、この日のために全国から石垣島へ集った「文化庁メディア芸術祭石垣島展」アドバイザリーボードの中島信也さん・四方幸子さん・工藤健志さん。シンポジウムの進行役は、同じくアドバイザリーボードの岡田智博さん(アートマネージャー)。
 

 “メディア芸術(アート)とは?”から始まり、今回の文化庁メディア芸術祭石垣島展開催の意義について、各界からの視点による意見が交わされました。

アートと自然と地域がつながる
 

「茨城県北芸術祭」や「森美術館」などのキュレーターとして、芸術界で活躍されている四方さんは、メディアアートは自然科学との関係が深いことを述べ、「石垣島では普段身近にある美しい自然に対して、今まで気づかなかったことを、アートを通して初めて発見できるなど、自然豊かな石垣島だからこそより意味があるのでは」と、石垣島での芸術展の開催に対して、大きな意味合いを提示しました。

「美少女展」や「Art and Air〜空と飛行機をめぐる、芸術科学の物語」など新たな切り口による現代美術展の企画で注目される、青森県立美術館学芸員の工藤健志さん。メイン会場となっている石垣市民会館を設計を手掛けた建築家で、戦後の日本建築界をリードした前川國男について触れ「(市民会館特設会場が)前川建築らしさにあった展示スペースにできあがっていて、本当にいいと思う」と吹き抜けの場内を見渡しながら述べました。

 CMディレクターとして、これまで日清食品カップヌードル『hungry?シリーズ』やサントリー『伊右衛門』など数々のCMを生み出して来た中島さんは、今回の石垣島展に関して、「CMはその製品を好きになってもらわないと意味がない。今回のメディア芸術祭も一緒で、まずは来てもらった人に作品を好きになってもらわないといけない。残りの期間、より多くの人に来場してもらい、作品を好きになってもらえれば」と願いを込めました。

 

 これまで石垣島とは遠い存在にあったかのようにも思える「メディア芸術(アート)」の世界。

 文化庁メディア芸術祭石垣島展をきっかけに、石垣島に新たな風が吹こうとしています!


文化庁メディア芸術祭石垣島展
~ひかりきらめくイマジネーション~

 

開催期間:11/29(水)~12/17(日)

展示時間:13:00~19:00(土日祝10:00~)入場無料

展示会場:石垣市民会館特設会場(インフォメーションセンター)

まちなか会場:まちなか交流会館ゆんたく家、石垣港離島ターミナル、ホテルエメラルドアイル石垣島、伊原間会場

公式webサイト:http://mediaarts-ishigaki-jima.okinawa
 

ライタープロフィル

橋爪 千花(はしづめ・ちか)1991年石垣市川平生まれ。

立命館アジア太平洋大学卒業後、東京でアイドルのマネージメントや地域活性の仕事に携わり、2017年夏より地元石垣島へ拠点を移す。

好きな食べ物はカシューナッツ。嫌いな食べ物はピータン。