こんな職場は嫌われる!? 芸人×経営者×専門家が「働く」テーマにトークイベント


この記事を書いた人 仲程 路恵

これからの「働き方」を楽しく考えようと“お笑い”の手法を生かしたトークセッション「こんな職場は嫌われる!?〜働き方のトレンドを探る」が13日夜、那覇市前島のイベントスペースTerminalで開かれた。お笑い芸人リップサービスの2人、企業や組織のコンサルティングを手掛ける波上こずみさん、コールセンターや「首里石鹸(せっけん)」を運営するコーカス代表の緒方教介さんが登壇。従業員の定着やモチベーション向上を目指すコーカスの取り組みや工夫点を取材映像とコント、トークで紹介した。

トークセッションに登壇したコーカス代表の緒方教介さん(右端)と波上こずみさん(奥左)、リップサービスの2人=13日、那覇市前島

堅い話題になりがちな「働く」というテーマを分かりやすく楽しく伝えたいと、芸能プロダクションのオリジン・コーポレーションが初めて企画・主催した。お笑い芸人と経営者、専門家という立場が異なる3者による異色のコラボで、つっこみあり笑いありのイベントとなった。

コーカスはコールセンター事業を軸に運営しており夜間のシフト勤務もある。女性従業員が多いことから、出産後の働き方に不安を抱える声もあったという。緒方さんは「優秀な女性たちが出産後も安心して働き続けられる環境をつくりたい」と考え、勤務時間がコントロールしやすい新事業として2016年、オーガニックのせっけんの製造・販売を行う「首里石鹸」をオープンした。ことし3月には社内に保育園も開設している。

リップサービスの榎森耕助さんと金城晋也さんの2人は事前にコーカスを訪問し、働きやすい環境づくりを目指す同社の取り組みを取材。イベントではお笑い番組風にまとめた動画が紹介された。

3者によるトークで緒方さんは、社員同士のコミュニケーションを円滑にし、モチベーションを高めて気持ちよく働ける仕組みづくりを紹介。社員が互いに感謝や喜びの気持ちを伝え合うために、イントラネット上で「バッジ」を贈り合うゲーム感覚のシステムを作ったことなども報告した。

波上さんは「かつては縦のコミュニケーションが重視されたが、これからは縦、横、斜めのマルチコミュニケーションが大切。社長とも直接コミュニケーションがとれる仕掛けが素晴らしい」と語った。

企画したオリジン・コーポレーションのマネージャー永田健作さんは「人手不足や雇用のミスマッチが社会課題になっている」と指摘。「従業員の“働きやすさ”に取り組む魅力ある企業を芸人が紹介することで、社会課題を解決しながら芸人の活動の幅を広げたい」と願いを込めた。
 

(佐藤ひろこ)

(2018年8月30日 琉球新報掲載)