「県民代表し沖縄広めてくれた」元アクターズ タレント・田仲メリアン〜歌姫を語る・私と安室奈美恵(3)


この記事を書いた人 仲程 路恵

県出身の歌手・安室奈美恵が引退する9月16日まで残り1カ月を切った。デビューから25年にわたる輝かしいアーティスト活動は国内外の人々を魅了し、勇気や希望を与えた。そのような安室の姿を同じ沖縄出身の俳優、アーティストらはどのように見詰めてきたのか。

―安室さんのファッションなどをまねる「アムラー」が流行した1996年に沖縄アクターズスクールに入った。当時からファンだったのか。

「テレビで安室ちゃんを見て、沖縄出身なんだ、すごいな、かっこいいな、とは思っていたが、当時は好きというほどではなかった」

―安室さんに引かれるようになったきっかけは何か。

「アクターズではランダムにかかる曲に合わせて踊り、表現力を磨くレッスンがほとんどだった。レッスンで安室ちゃんの曲がかからない日はなく、引かれていった。安室ちゃんが新曲を出すと歌詞を覚えて、(安室さんの)ケーブルテレビの特集番組を録画して踊りを練習した。『You’re my sunshine』と『Don’t wanna cry』は今でも歌詞を見ないで歌える」

―安室さんとレッスンなどで会う機会はあったか。

「高校に進学し、アクターズをやめスターライトスクールの沖縄校に通っているときにニアミスした。安室ちゃんがレッスンを見に来るという話で、どきどきして待っていた。でも、見守るというか窓ガラスからちょこっとのぞいただけで帰ってしまった。後で聞いたところでは、本人が『レッスンの邪魔はしたくない』と言っていたらしい」

「安室ちゃんは完璧な女性」と語る田仲メリアン =15日、琉球新報社

―一番の思い出の曲は。

「『SO CRAZY/Come』(2003年発売)だ。安室ちゃんがスイート・シーク(R&Bアーティストらと曲を作るプロジェクト)を始めて、ポップな感じの曲が多かったのが、よりR&B寄りになり、衣装もスマートさを増した。より好きになり、東京でオーディションを受ける時に使った思い出の曲だ」

―安室さんの魅力は。

「女性としてかわいさもあってかっこよさもあって強さもあって完璧なところだ」

―同じ沖縄県民としてどんな存在か。

「あまり沖縄のことを語らないから、どう思っているんだろうと思っていた。でも、県民栄誉賞の授賞式の涙を見て“ごめんね。安室ちゃんも沖縄のことを思ってくれていたんだよね”と思った」

―安室さんに声を掛けるとしたら。

「25年間、県民の代表として、沖縄をこんなに全国に認知される県にしてくれてありがとうございます。普通の人が経験していることができなかった部分もあると思うので、(引退後は)それを楽しんでほしい。お疲れさまでした」

(毎週金曜日掲載)

田仲メリアン 1984年11月17日生まれ。96年に沖縄アクターズスクールへ入校。2000年にスターライトスクール沖縄校へ移籍し、2002年から同事務所の東京校に通う。05年に帰沖し、県内を中心にテレビ番組のMCやラジオパーソナリティーとして活躍する。

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