花に魅せられた男がハロウィーンアレンジに込めた思い


この記事を書いた人 仲程 路恵

「花に正解はない」だから面白い

もうすぐハロウィーン。今回、表紙を飾った「楽しいハロウィーンアレンジ」はフラワーショップ フローリストデイリー普天間りうぼう店店長の上原義秀さん作。「カボチャ」を使ったフラワーアレンジをと依頼すると快く引き受けてくれた。自由な発想で、何にもとらわれず、自己流でいい―。アレンジの楽しさを教えてくれた上原さんに話を聞いた。

写真・村山 望
フローリストデイリー普天間りうぼう店のフライヤー。アレンジ写真を随時変えてPR

「考え方をちょっと変えてみると面白いものになる」

 ハロウィーンといえば、オレンジと黒の色使い、そしてカボチャ…。フラワーアレンジも似たようなパターンになりがちだ。上原さんは、そこをどう変えてアレンジするかを考えた。今回はカボチャを器にし、花以外の異素材も加えてユニークかつ誰にでもできるようなアレンジに仕上げてくれた。

経験を積み重ね

プリザーブドフラワーを使って仕上げたスクエアケーキ

上原さんが花屋で働くようになったのは、大学卒業後。当時は就職難だったといい、たまたまアルバイトを募集していた家の近所の花屋で働くことに。

「正直、花には全然興味がなかった」と笑う。だが、2~3年たったころから仕事が面白くなり、気付けば10年。その間、辞めたいとか転職しようなどとは思わなかったという。その理由は「楽しかったから」と一言。

その後、上原さんは独立し、フラワーショップをオープン。「ブライダル一本でやっていけたら」という思いから、スタッフの仲里仁哉(よしや)さんと話し合い、店のブログを作って情報発信を始める。これがきっかけで、全国誌のゼクシィ、ELLE(エル)、non│no(ノンノ)などからウエディング特集を組むのでブライダルブーケを作ってほしいとの依頼がくるように。次第に知り合いも増え、仕事も広がった。

また、ヒューマンアカデミー那覇校からも声が掛かり、約8年間ブライダルフラワーの講師も務めた。

現在は、フローリストデイリー普天間りうぼう店の店長として勤務し、ウエディング関係の仕事もこなす。目下の目標は、同店を多くの人に知ってもらうことだ。

この業界に入って約25年、上原さんはさまざまな経験を積み重ね、これからは「人材育成をしていきたい」と将来を見据える。

「ゼクシィ」に掲載されたブライダルブーケ
ハランという葉をラッピング代わりにして作った花束

個性を生かし楽しむ

花がいっぱいあると気分が上がるという上原さん

「花を生けているときが一番楽しい」という上原さん。「花のいいところは、正解がないところ。10人いたら10通りのアレンジができる。それぞれの個性が出てくるのが面白い」と話す。

最後に、「楽しいハロウィーンアレンジ」の作り方を教えてもらった。

「カボチャの上部をカットし、中身をくり抜いてオアシスを入れる。そこへ好きな花を挿していく。少し変わったものにしたければ、乾燥した葉やおもちゃなどの異素材を合わせるのもいい。先端に羽を付けたワイヤーをくるくると螺旋(らせん)状にして挿したり、サンゴミズキの枝を花の間に差し込んだりすると見た目の印象も変わります」

上原さんいわく「花を挿すときは、あれこれ迷わず好きなように挿したらいい」。たとえ、いまひとつの出来だとしても「それでいいんです。そのほうがやっていて楽しいはずです」と話してくれた。

フラワーアレンジは苦手だというあなたも、自己流アレンジを楽しんでみてはいかがだろう。

ストロベリーのフラワーケーキ 写真提供:上原義秀さん

(﨑山裕子)

フラワーショップ フローリストデイリー

フラワーショップ フローリストデイリー

普天間りうぼう店

宜野湾市普天間2-14-1

サンフティーマ 普天間りうぼう店内

098-892-8713

営業時間=10~19時 日曜定休

(2018年10月25日付 週刊レキオ掲載)