あの名物ゆるキャラもメリクリでコスプレ☆沖縄の地元記者が選ぶ4体はコレ


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地方部記者が地元への愛情たっぷりに担当地域をアピールする「J(地元)☆1グランプリ」。今回は、クリスマスに向けてサンタのコスプレで道行く人を楽しませる各地のマスコットキャラクターを紹介します。普段は、そこにいるのが当たり前のおじいや坊やたち。これまで通り過ぎていた人も、今月はかわいらしいサンタ姿やイルミネーションの光に、思わず足が止まるかも。名物キャラには地域の歴史やいろんな人の愛が詰まっています。クリスマスをほっこりとさせる彼らに、家族や友人を誘って会いに行ってみませんか?

 

本部町 ソニー坊や  ★ 町謝花の国道505号沿い

国道505号沿いにたたずむソニー坊やと大田武男さん=本部町謝花

半世紀超 地域見守り、再び輝く

本部町の美ら海水族館の近く、町謝花の国道505号沿いに笑顔でたたずむソニー坊や。12月になるとサンタの衣装を身にまとい、地域の人や通りかかった人を楽しませている。衣装を着せたのは謝花区の大田武男さん(58)。「ソニー坊やが地域に愛される存在になってくれてうれしい」と笑顔を見せる。

1962年にソニーの代理店だった電気店「電波堂」の創業者によって建てられた同区のソニー坊や。長年風雨にさらされ、劣化が進んでいた。大田さんが2014年にペンキを塗り直し、15年12月からサンタの衣装を着せた。16年12月には電飾と足場も設置し、夜になると、ソニー坊やは光に包まれる。

「もともと電気工事やペンキ塗りの仕事をしていた。その経験を生かした」と大田さん。サンタ以外にも3、4月にはランドセル、5月のこどもの日にはかぶとを、8月にはエイサーの衣装と、ソニー坊やは季節を楽しんでいる。

大田さんは「本部町はもちろん、那覇からもソニー坊やを見に来る人がいる。楽しみにしている人が多いので、できる限り続けていきたい」と話す。これからもさまざまな衣装で楽しませてくれそうだ。 

(友寄開)

沖縄市 エイ坊  ★ エイサー会館

23〜25日の期間限定で登場するサンタクロース姿のエイ坊=沖縄市上地のエイサー会館

23〜25日限定の希少な姿

「エイサーのまち」沖縄市をPRするキャラクター「エイ坊」が、クリスマスシーズンに合わせてサンタクロースの衣装で沖縄市上地のエイサー会館に登場する。

市内のエイサーを中心に、県内各地のエイサー映像やグッズなどを展示、販売するエイサー会館では23〜25日、参加型イベント「クリスマスパーティー」を開催する。

普段は鮮やかな紺地に花模様があしらわれた「知花花織」の衣装を身に着けているエイ坊が期間中、初めてサンタクロースの衣装を身に着ける。パーティーでは、サンタになったエイ坊とのじゃんけん大会や記念撮影会があるほか、手作りオーナメント体験など多彩な催しが予定されている。

2011年に市民からの公募で誕生したエイ坊は、エイサーが大好きな青年だ。市文化芸能課の金城龍之介さんは「エイサーが好き過ぎて、寝言でも『イーヤーサーサー』とつぶやいてしまうほど」と、エイ坊の熱烈なエイサー愛を代弁する。サンタ姿でも、いつでもエイサーを踊り出しそうなのはその愛ゆえか。

おちゃめでかわいいエイ坊とクリスマスを一緒に過ごしてみない?

(上江洲真梨子)

宮古島まもる君、まるこちゃん  ★ 宮古島署

クリスマスの衣装を初めて身にまとう宮古島まもる君(右)と妹まるこちゃん=宮古島署

初のクリスマス コスプレ

今や「宮古島といえば『まもる君』」と言っていいほど、宮古島の“アイコン”として定着した警察官人形の「宮古島まもる君」。宮古島市内各地の交通事故多発場所で、日夜立ち番勤務を続けているのは現在20体。そのうちのまもる君1体と、妹のまるこちゃん1体は、宮古島署玄関前で宮古島の交通安全を願っている。

1991年に誕生したまもる君がクリスマスコスチュームに身を包むのは、意外にも27年の「生涯」で初めてという。まもる君はサンタ帽をかぶり、ケープを着用。まるこちゃんはトナカイ帽を着けてクリスマスカラーのエプロンを身にまとった。いつもと違った「2人」の雰囲気は、警察署の入り口に花を添える。

まもる君を管理する宮古島地区交通安全協会の砂川米子事務局長は「クリスマスらしさが出るように、衣装の一部を切ったりして工夫した」と話す。衣装を着せている最中、通り掛かった人から「写真を撮らせてください」と言われ、急いで衣替えしたという。「季節感が出て、良い感じ。今までやってなかったのが不思議なくらい」と語った。古堅宗明副署長は「期間限定なので、たくさんの人にぜひ見に来てほしい」と話した。

(真栄城潤一)

与那原町 三郎オジー  ★ 軽便与那原駅舎資料館

くば笠の上からサンタクロースの帽子をかぶる三郎オジー=与那原町立軽便与那原駅舎展示資料館

歴史伝えるハイカラおじー

「サンタさんだ!」―。近所に住む本田清葉ちゃん(4)が駆け寄ったのは、与那原町の町立軽便与那原駅舎展示資料館入口に座る等身大の人形「三郎オジー」。くば笠の上に赤い帽子。赤いポンチョに立派なひげもたくわえ、普段とはひと味違う。

三郎オジーのモデルは、終戦間もない頃まで物資や客を輸送する役割を担った与那原馬車スンチャー(馬車引き)の人たちだ。季節に合わせ装いを変え、同資料館を訪れる子どもたちを楽しませている。

大正時代から沖縄戦で破壊されるまで、本島を走った県営鉄道(軽便鉄道)の与那原駅を復元した同資料館。鉄道だけでなく県内の交通の歴史を伝える。中でも実際に使われた車輪など馬車の資料は多く、三郎オジーも当時の写真に写る人にそっくりで、馬車スンチャーの証言をまとめた与那原町史には、三郎オジーと同じ名前の男性もいるという。

「馬車スンチャーの心意気があったから今の与那原があると伝えたい」。三郎オジーのアイデアを出した一般社団法人与那原社中の有馬良一さん(57)は語る。昔も今も与那原を見守る三郎サンタに、会いに行ってみませんか。

(半嶺わかな)


うきうき気分を演出

何かとせわしない年末ですが、街中にはイルミネーションが輝き、あちらこちらでサンタクロースの姿を見掛けると、なんだかうきうきとした気分になるのは私だけでしょうか。今回紹介したサンタコスプレの名物キャラたちも、その気分を演出してくれています。

コスプレと言えば、最近ではハロウィーンが注目されますが、クリスマスの衣装はコスプレの歴史でも古い方に入るかもしれません。真っ赤な帽子をかぶるだけでも、サンタクロースに早変わり。この時期、皆さんの周りでも、サンタがほほ笑んでいるかもしれません。 

(瀬)

(2018年12月16日 琉球新報掲載)