ユニバーサルデザインの遊び場 100cmの視界から―あまはいくまはい―(53)

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私は車いすユーザーなので、周りの人から「体を動かすことができない」もしくは「好きではない」と思われがちです。でも本当は大好きなのです。

骨が弱くて折れやすい私にとって、車いすに座る姿勢はあまりよくありません。頭の重さに背骨が耐えきれず、座っているだけで背骨がS字型に曲がってしまうのです。

リハビリをしても骨折につながることがあるし、体を動かすことには慎重にならざるを得ません。

でも、水の中では違うのです。浮力があるので体を動かしやすく、骨への負荷も少ないのです。自由に動けて、思いっきり遊ぶことができるのです。

子どもの時は、夏は毎日のように家の近くのホテル日航那覇グランドキャッスル(現ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城)のプールや、今はなき波の上のプールで泳ぎました。大人になってからは海でシュノーケルにはまり、与那国島の海底遺跡も見に行きました。

好きなスポーツは水泳だけではありません。

座ったままでも届く高さにネットを張り、風船を使ってバレーボールをしたり、卓球台の横に長テーブルを置いて、長テーブルに座りながら卓球をしたりしました。


「やんばる学びの森」には車椅子でも楽しめる散策路がある

どうやったら私もできるのかと考え、工夫を重ね、ルールも少し変えながら、友だちと遊べるのはとても楽しかったです。一緒に考えてくれる家族や友だちがいたからこそ楽しめました。おかげでスポーツ以外にも、やりたいことにはチャレンジしたいと思えるようになりました。

それがなければ「自分には無理」とチャレンジを諦めたり、周りから「車いすだからできなくても仕方がないよね」と誘われなくなったりしたこともあったでしょう。「あなたもやってみたい?」と聞き、「一緒にやろう」と誘ってくれる人がいるとありがたいです。その時、車いすの人だけが楽しむルールにするとゲームの面白みがなくなってしまうこともあるので、自分が楽しいことを車いすの人もどうやったら一緒にできるか、と考えてくれるといいですね。

国頭村にあるやんばる学びの森では「ヨンナーコース」という山歩きができる散策路があり、車いすでも楽しめます。緑に囲まれながら、鳥や動物の声を聞き、巣を見つけ、虫を触ることが、車いすのままでもできるのです。沖縄に帰った時は子どもと一緒に訪れる最高の場所の一つです。子どもも高齢の人も、みんなが一緒に楽しめる場所はビジネスチャンスにもなることでしょう。ユニバーサルデザインの遊び場がどんどん増えてほしいです。



(次回は8月27日に掲載します)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2019年8月6日 琉球新報掲載)

 



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