スマホの通知とアテンション・エコノミー モバプリの知っ得[217]


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スマートフォンでアプリを使うときに「このアプリからの通知を許可しますか?」と確認が入るのを見たことありませんか?許可をすることでアプリからのお知らせが届くようになります。大事なお知らせが届くこともある一方、キャンペーンや新機能のお知らせなど不要なものが届くことも…。この通知の設定のさじ加減の難しさは私も頭を悩ませています。アプリはなぜ、この様にお知らせをしてくるのでしょうか。それは、「アテンション・エコノミー(関心経済)」という言葉を知ることで理解できるかもしれません。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

スマホアプリの多くは無料で使うことができます。アプリ企業としては、そこから何かの販売につなげる・広告を見てもらう・ユーザーの利用データを売るなどでお金を稼ぎます。いずれにしても、アプリを使ってもらわないことには売り上げにつながらないので、私たちをひきつけるためにお知らせをします。私たちの興味や関心が色々な方法でお金に変わっていくという言葉が「アテンション・エコノミー」なのです。

こうしたアテンション・エコノミーはアプリだけでなく、SNSのインフルエンサーも飲み込みます。インフルエンサーがSNSで「稼ぐ」ためには、人々から注目される必要があります。注目される技術や長所などがない人は色々な方法で目立とうとして、結果「迷惑・犯罪行為」をしてしまうということです。アテンション・エコノミーの仕組みを知ることで、飲み込まれないようにしたいですね。

~ 言葉の解説 ~

SNSのインフルエンサーも飲み込む … 14日、路上生活者の女性に嫌がらせする動画を撮影した10代2人が書類送検されたと共同通信が報じています。2人は「路上生活者の動画を投稿してSNSをバズらせたかった」と供述しているということです。一部の人は「やり方はなんでもよく、目立ってアクセスを稼げればいい」という考えで、様々な迷惑行為を行います。しかしその結果として、書類送検や逮捕につながり、こうした動画がずっと残って「デジタルタトゥー」になることがあります。目先のアクセス数にとらわれず、ものごとの良し悪しを考えていきたいですね

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/