沖縄のカタブイに用心<気象予報士・島尻勝の天気をヨム>


沖縄のカタブイに用心<気象予報士・島尻勝の天気をヨム>
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 沖縄のカタブイにまつわる話題をひとつ。北部のター滝や源河川は、何度か水難事故がありましたが、全員救出されていました。しかし、2022年8月6日にター滝が増水して観光客が亡くなるという残念な事故が起きました。

 川で遊ぶ際は「最新の天気予報を確認してください」と言われます。しかし、事故のあった日の天気予報は「晴れ所により夜のはじめ頃まで雨で雷を伴い激しく降る」。テレビ画面では省略され、太陽マークだけしか表示されません。安心したのかもしれません。川遊びの際には、天気予報だけではなく上流付近の雨雲の確認が必要です。上流に雨雲があれば危険です。沖縄のカタブイをなめてはいけません。ちょっと離れたところでは土砂ぶりということが、よくあります。

 そして、沖縄の川は、川幅が狭く短いのです。上流で雨が降ると、すぐに増水して危険です。幸い、いまはスマホで上流の雨雲の動きが分かります。スマホを活用して沖縄の川遊びを安全に十分楽しんでください。

 (次回は8月18日に掲載)


 気象予報士・防災士の島尻勝さんが沖縄の気象や防災・減災にまつわる話題をつづります。


 島尻 勝(しまじり・まさる) 1954年生まれ。宮古島市出身。沖縄気象台などで40年勤務。気象防災アドバイザー取得。県内ラジオ局で天気にまつわる番組を担当。