<金口木舌>AI


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 新聞社から記者が消える日は来るのだろうか。データから自動的に文章を作成する人工知能(AI)の研究が進んでいる。米メディアのAP通信では、中小企業の決算記事などは記者の代わりにコンピューターが書く

▼気が付けば随分多くのAIに囲まれて暮らしている。掃除ロボットなど家電製品にもAIが入っている。チェスで人間がコンピューターに負けたとのニュースを聞いて久しい。囲碁や将棋のゲームでもAI搭載は当たり前
▼スマホに話し掛ければ、こちらの言語を理解し応答してくれるのもAIのなせる技。人の感情を認識できる人型ロボット「ペッパー」も登場した。県内の銀行も接客用に、うちなーぐちを話すペッパーを「入行」させた
▼ある予想では2020年ごろまでには、車の自動運転や物流ロボットなど自律的行動ができるようになるとの見込みもある。小型無人機で配達するサービスの実験も始まっている
▼AIの進化で消えていくと予想される職業もある。データ入力や電話販売、施設の案内係などマニュアル化しやすい職業などが挙げられる。ロボットに仕事を奪われてしまっては本末転倒
▼SF映画では既にロボットが人間を支配している。45年にはコンピューターが人間の脳を超えるとの予想もある。AIによる記事が増えても、人間にしか書けない心に届く記事をことしも送りたい。