<金口木舌>スマホのルール


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 お小遣いをねだりにおいっ子が来た。お願いの最中も、おいっ子はずっとスマートフォン(スマホ)の画面を眺めて彼女とのやりとりに夢中になっている

▼人の目を見て話そうとしないおいっ子を叱りつける。だがなかなか言うことを聞かない。スマホなしでは暮らせないスマホ中毒者を面白おかしく描く立川志の輔の落語「スマチュウ」の一節だ
▼朝起きるとまずスマホでニュースをチェックする。スマホを忘れて来るとずっと不安になる。着信していないのにポケットでスマホが振動した錯覚に陥る。いくつか心当たりがあれば、中毒を疑った方がいいかもしれない
▼モノレールの中もスマホだらけ。歩きスマホならぬバイクに乗りながらのスマホも見ると危なっかしい。総務省によると2014年末で県内のスマホの世帯普及率は59・7%、統計のある3年前から約2倍に増えた
▼若者で見ると普及はさらに伸びる。文科省の調査で携帯電話とスマホの所有率は小学6年で61・6%、中学3年だと82・1%に上る。学校では電源オフを義務付け、授業中の使用には一時預かりの罰則があるという
▼きょう午後1時半から、沖縄市の県立総合教育センターで「スマホおきなわルールづくりシンポジウム」が開かれる。落語の後半ではおいっ子と立場が逆転する。子どもへのルールと併せて、大人のマナーも考えたい。