<金口木舌>地方創生と大学の魅力


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 県内の大学進学者のうち、地元の大学に進学した人の割合は54%で全国7位と多い。一方で、他県大学への進学者数から、他県から県内大学への入学者数を差し引いた流出超過数は1822人に上る

▼旺文社が、文科省の学校基本調査を基に分析した。地方創生が叫ばれる中、大学進学を契機にした人口移動に注目、進学時の都市部への一極集中を明らかにした
▼沖縄は地元進学率が高い一方で流出超過であるのは、他県から来る学生が少ないことを意味する。県外から見た大学の魅力づくりが課題だ
▼県内大学生らが、やんばる産パイナップルを使った新製品を開発し、先月、琉大祭で試験販売した。琉大4年の神谷奈々代さん(21)は「やんばるの魅力を伝えたいと思うと必死になる。知られていない地域の魅力があると思うので、地域がもっと大学を利用してほしい」と語った
▼ことし開学30周年を迎えた県立芸術大の比嘉康春学長は本紙インタビューにこう話した。「東アジアの中心にある大学として、海外との交流を通し、平和の懸け橋となれる大学にしたい」
▼県内大学の可能性は豊かだ。大学の持つ魅力が学ぶ意欲を伸ばし、人材を育て、ひいては沖縄の発展にもつながる。地域の魅力を発掘し、「東アジアの中心」という特性を生かす。そんな大学の挑戦が、沖縄の明るい未来を切り開く。