<金口木舌>節目を迎えた人たちの言葉


この記事を書いた人 琉球新報社

 新年度が始まり、1カ月が過ぎた。新たなステージに進んだ人、節目を迎えた人たちの印象に残る言葉は…

▼21年の競技人生に別れを告げた、フィギュアスケートの浅田真央さん(26)。引退会見で「気持ちも体も気力も全部出し切ったので悔いはない」。笑顔と涙で新たな目標を持ち、前に進むことを表明した
▼熊本地震から1年。西原村の追悼式で、遺族代表の男性(47)は「迷い、悩み、苦しみながらそれでも命が続いていることを実感し、人生に向き合っていくことこそ復興だ」と述べた。被災者の生きる姿勢を、新しく就任した復興相にも学んでほしい
▼ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさん(19)が、国連平和大使に就任した。任命式で「明るい将来を見たければ誰かが動くのを待つのではなく、自分で今から動かないといけない」と演説した。女子教育の権利向上に取り組む
▼動くことで何かが変わると信じ、米軍キャンプ・シュワブゲート前では、連日市民が新基地建設反対を訴える。「私が止める。あなたが止める。共に頑張ろう」。座り込み千日の節目を1日に迎えた
▼沿岸部の埋め立て工事が始まり、新基地建設は新たな局面へ。「(海の)原状回復は困難」との報道の一方、市民らは「石の袋を入れただけ」と冷静だ。その受け止めに、幾多の局面を乗り越えてきた県民の抵抗の歴史を感じる。