<南風>アウトドアの勧め


社会
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 沖縄もだいぶ涼しくなってきた。あっという間に今年も終わりが近づいている。忘年会や新年会の話も、ちらほら聞こえてくる頃になった。この季節になると、とてもキャンプに行きたくなる。キャンプと言えば夏だ!という方も多いと思うが、私は夏よりも涼しい、秋や冬のキャンプが好きだ。

 夏と違って、テントの中が蒸し暑く、寝苦しいということもないし、虫も少ない。たき火を囲んで、ぼうっとしているだけでも、とても楽しい。

 自然に触れると、普段の悩みや葛藤が小さなものに思えてくる。胃がキリキリするほど考えてたことも、ま、どうにかなる。誠(まくとぅ)しーねぇー、なんくるないさ。ただただ、できることを一歩一歩やっていこうと、とても前向きになれるから不思議だ。

 国立青少年教育振興機構の調査報告書(青少年の体験活動等に関する実態調査・2012年)によると、自然体験が豊富な青少年ほど、自己肯定感が高い傾向がある、という。生きていく上で、楽しい人生を送る上で、この自己肯定感はとても大切だ。自然体験と「あいさつをきちんとする」「お年寄りに席を譲る」「友達が悪いことをしていたら指摘する」などの道徳観、正義感には相関関係が見られたという。

 高ストレス社会と言われるようになって久しい。交通事故死より自殺者の数が多い時代。沖縄においても、交通事故の約10倍近い人が自殺している現実がある。

 少し足を延ばせば、素晴らしい自然に触れられる沖縄。自然には癒やしの力がある。また創造力や集中力など、人が本来持っている能力を発揮できるようにもなる。いいことだらけだ。

 子供たちもキャンプが大好きだ。さて、テントを引っ張り出して、今シーズン一発目のキャンプにそろそろ出掛けるかな。
(寺田克彦、テラ・ウェブクリエイト社長)