辺野古、海上作業を再開 週内にも仮設桟橋工事開始


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浮桟橋の再設置作業の前で、新基地建設に抗議するカヌー隊とその動きを警戒する海上保安官=19日午後2時7分、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局は19日、浮桟橋や汚濁防止膜の再設置作業を行った。20日にも台風で砂浜などに打ち上げられていたフロート(浮具)とブイ(浮標灯)の再設置作業を始めるとみられる。

海上作業は16日の知事選への影響などを考慮し中断していたが、約2カ月ぶりに再開した。さらに18日午後10時すぎから、米軍キャンプ・シュワブに大型トラック11台分の資材を搬入した。辺野古崎付近に設置予定の海底ボーリング調査などに使用する仮設桟橋の新設工事に向けた作業を週内にも開始する見通し。
 仮設桟橋は砕石を海底に積み上げる「事実上の埋め立て工事」(防衛関係者)。知事選で新基地建設に反対する翁長雄志氏の当選直後の作業開始で、世論の反発がさらに強まるとみられる。
 仮設桟橋は防衛局が6月中旬に大手ゼネコンの大成建設(東京)と契約した埋め立て本体工事に向けた準備工事の一つ。長さは陸上部約30メートル、海上部約70メートルの計約100メートル。工事は環境保全目的で汚濁防止膜を設置し、砕石が崩れないように鋼材も使用する。
 浮桟橋は2基のスパット台船などを使った浅瀬部分と陸上部のボーリング調査の終了後、「辺野古抗議県民集会」前日の9月19日に一時撤去されていた。だが、2カ月後の11月19日午前8時すぎから午後6時ごろまで再設置作業が行われた。
 浮桟橋の設置作業現場北側の浜でも、クレーンを使いオイルフェンスを浜に並べる作業が確認された。
 基地建設反対の市民らは午前8時半、汀間漁港から3隻の船舶を出し、カヌー隊13艇と共に、抗議行動を展開した。