沖縄県議のコロナ感染 自民17人が濃厚接触の衝撃 先島視察、居酒屋で懇親会


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座波一氏(沖縄・自民)の新型コロナウイルス感染のため、県議会決算特別委員会では自民委員全員が欠席した=22日午後、県議会

 沖縄県議会決算特別委員会の委員長を務める座波一県議(沖縄・自民)の新型コロナウイルス感染が22日、判明した。自民党県連などによると、座波氏ら自民の県議は呉屋宏氏を除く18人で18~21日、先島に視察で訪れ、夜は飲食を伴う会合を行っていた。会派19人のうち、1人が感染、17人が濃厚接触者という異常事態になった。2019年度の県の決算を審議する22日の決算特別委員会は、17人中7人の自民委員が欠席した。

 決算特別委では、自民が総括質疑として23日の委員会へ玉城デニー知事の出席を求める動議を提案する意向を示していた。特別委は与野党の勢力が拮抗(きっこう)しており、仮に動議が提出された場合、委員長裁決で可決される見通しだった。だが、自民の委員が欠席したため提案されなかった。

 これに対し玉城知事は22日夕に急きょ記者会見を開き、「1人が感染、17人が濃厚接触者ということで、衝撃として受け止めざるを得ない。そのような状況の中では十分な審議はできない」と思いを述べた。

 また、22日は自民会派県議らが中心となって、玉城知事に那覇港湾施設(那覇軍港)の早期移設と浦添市西海岸開発計画の早期実現を求める決議を手交する予定だったが、感染の影響でこれも延期となった。

 自民党県連などによると、座波氏ら自民の県議は、呉屋宏氏を除く18人で先島へ視察に訪れた。18日に与那国島、19日に石垣島、20日に宮古島を訪れ、それぞれに1泊ずつしたという。自衛隊施設などを視察し、地元首長らと意見交換などをした。居酒屋での懇親会もあったという。

宮古島市で下地敏彦市長(左)らと意見交換する沖縄・自民の県議ら。右端が座波一氏=20日、宮古島市役所

 県議会の赤嶺昇議長は22日、本紙の取材に対し「それぞれの会派が県民のために視察しているので、それぞれで判断してもらっている」と述べた。新型コロナ対策について、県議会は現在、県議の議会外での活動自粛を求める要請などを出していない。

 県は現在、感染拡大防止を掲げ、県民に対して離島地域の医療体制は脆弱(ぜいじゃく)であるため、感染防止の意識を強く持って行動するように呼び掛けている。

 自民党県連は22日、「感染拡大防止対策の中心的役割を担う立場の人物であるだけに残念な結果と言わざるを得ない」とのコメントを発表した。