桐谷健太×オキナワンロック×コメディー! 「ミラクルシティコザ」来春公開


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 1970年代の沖縄市のコザを舞台にした映画「ミラクルシティコザ」(平一紘監督)の製作記者会見が16日、沖縄市のライブハウス「セブンスへブンコザ」であった。主演の桐谷健太とヒロインの大城優紀、ジョージ紫、平監督、大城賢吾プロデューサーが登壇し、来春公開予定の「グローカル」なエンターテインメント大作の魅力を語った。

映画「ミラクルシティコザ」の製作を発表する(左から)大城賢吾プロデューサー、ジョージ紫さん、桐谷健太さん、大城優紀さん、平一紘監督=16日、沖縄市のセブンスヘブンコザ(喜瀬守昭撮影)

 「ミラクルシティコザ」は、元ロックスターの祖父(ハル)に体を乗っ取られた青年・翔太が、魂を1970年代のコザにタイムスリップさせられるコメディー作品。映画撮影は新型コロナウイルス感染症対策のため3度延期をした。3月から始まった撮影では衛生部を設けて感染症対策を徹底。沖縄市や金武町など全編県内で撮影を行い、4月15日に、1人も感染者を出すことなく終えた。

 同作は、製作陣から出演者まで9割以上が沖縄にゆかりがあるという。そのため出演者らは、撮影延期が重なりなかなか沖縄に来られない桐谷に、自作動画を送りコザの魅力を共有。桐谷は「会っていないのに(メンバーを)いとおしいと思った。すぐに打ち解けられた」と振り返る。

 映画製作は2019年、同作の第3回「未完成映画予告編大賞」グランプリ受賞をきっかけに、動きだした。

 平監督は「初めて劇場映画を作るチャンスをもらった。自主映画の時代から一緒にやってきたスタッフ、キャスト、なにより桐谷さんという大きいエンジンを積んで発進できることがうれしい」と笑顔を見せる。「(製作を通して)過去の歴史を知ること、見ることで絶対に得るものがあり、それによってしか変えられないものがあると思った。コザの町も主役。コザで何が起きて、どうなっていくのかを見届けてほしい」と瞳を輝かせる。

 劇中ではオキナワンハードロックの伝説的バンド「紫」の曲も流れる。翔太の魂が宿った70年代のハルを演じる桐谷は、ギターや英語で歌うロック、翔太が好きなラップなどを練習し撮影に備えた。桐谷は「(別のドラマで)能楽師の役だったので、能の先生のお稽古の動画の後に、ラップの動画を見るようなボリュームのある(時間を過ごした)。楽しんでやれたので、すぐに体に入ってきた。(撮影では)エネルギーをぶつけられたと思う」と話した。

 歌の収録では、桐谷が歌い終えると、音楽を担当した紫のベースのクリスが、サムズアップと共にOKを出したという。ジョージは「クリスがOKを出しているので、絶対素晴らしい出来だ」と桐谷のロック魂に太鼓判を押した。