白寿・川前さん家族駅伝ゴール 「115歳まで生きるよ」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
数え99歳の川前信蔵さん=15日、うるま市の平安座島

 【平安座島=うるま】平安座島に伝わる白寿の祝い「ガージーバール」の祝いを前に、数えで99歳の川前信蔵さん(98)を交えた家族駅伝が11日に行われた。名護から平安座島までを親子がたすきをつないだ。集落に入って最終ゴール地点の自治会館までを、川前さんを中心に子どもたちが囲んで走り抜け、見事ゴールした。98歳とは思えぬ健脚ぶりに住民らが声援で迎えた。

 20代から祖父にならってサバニを操り、漁業に携わってきた川前さんは、10代のころ徴兵され中国に出兵した一時を除き、ウミンチュ一筋の人生を過ごしてきた。
 20代のころから走り始めた。陸上競技で中頭郡の代表として県の体育大会に出場経験もある。97歳の時にはあやはしロードレースに出場し、4キロ近くを55分で走った。「100歳までは大丈夫。自分一人で健康に歩くよ。走っているのが楽しい」と話す。
 妻に先立たれたため、現在は1人暮らしだが、炊事洗濯は自らこなす。ご飯をたき、みそ汁をこさえる。長男の信栄さん(70)=浦添市=ら子どもたちが交代でおかずなどを持ち寄り、掃除を手伝って川前さんを支えている。
 「女だったら130歳、男だから115歳まで生きるよ」。そんな信条を快活に語る。元気の源は「コーヒー、乳酸菌飲料、栄養ドリンクを飲んでいる。酒は飲まない」という。集落内をゆっくり歩くことが日課になっている。
 25日には平安座自治会館でガージーバール祝いが行われる。その前には集落内パレードも予定されており、所々で歩いて長寿の恩恵を地域に授けるそうだ。

ファミリー駅伝でゴールする川前信蔵さん=11日、うるま市の平安座島