社会

米軍厚遇世界に問う 映画「ザ・思いやり」 バクレー監督、不条理訴え

映画「ザ・思いやり」を完成させたリラン・バクレー監督=東京港区内

 日本が負担する在日米軍の駐留経費、通称思いやり予算の疑問に挑む映画「ザ・思いやり」がこのほど完成した。米国出身の映画監督リラン・バクレーさんは、自身も米軍厚木基地(神奈川県)の飛行ルート下に住む。「東日本大震災もあり、日本の経済が困難な中で、米兵の娯楽費まで日本の税金から出している。なぜこんなに米軍を“思いや”らないといけないか」と話し、その不条理と矛盾を明らかにしている。

 映画は、在日米軍人の住宅や学校だけでなく、娯楽のためのゴルフ場、ファストフード店などに日本の税金が支出されている状況を解き明かす。カリフォルニアの街頭で米国人やインドなど世界各国の人に日本の現状を示し感想を求める。
 沖縄の米軍人住宅のビデオを、仮設住宅で暮らす石巻の被災者に見せる場面もある。充実した台所や、風呂やトイレが複数ある米軍人住宅に、被災者がため息をつく。「わしらは隣のくしゃみが聞こえるほど薄い壁の狭い仮設に住んでいるのに」というつぶやきと共に。
 沖縄在住で、思いやり予算を被災者支援に回すよう運動する山口洋子さんの活動や、辺野古新基地建設の膨大な予算なども紹介する。
 自身、16年間厚木基地近くに住み、子どもが夜中飛び起きるような爆音を体験してきた。米軍によるイラクでの無差別殺りくに衝撃を受け、なぜ日本が金を出して米軍基地を置き続けるか、疑問に思ったという。
 「米軍基地が日米の政治家や企業の利益になり、彼らがそれを手放さない構図が見えた」と話すバクレーさん。「本当に現状でいいのか、日本の人たちに映画で問い掛けたい」と話した。
 映画は首都圏で上映会を開いたが、来年1月からは各地で順次上映する予定。問い合わせは(電話)090(4135)2563。
英文へ→Movie The Omoiyari questions rational of sympathy budget for US Forces in Japan