社会

【島人の目】“トランプ大統領”と沖縄基地

 米大統領予備選挙で共和党のドナルド・トランプ氏の快進撃が続いている。人種差別と不寛容と憎しみをあおりかねない手法で人気を集める同氏は、予備選のどこかで脱落するだろうという見方も依然として根強い。僕もそう見ている1人だ。アメリカ国民は彼の暴言や放言を排斥する知恵と良心を持っていると信じるからだ。

 トランプ氏が、彼の汚れたレトリックや主義主張を大幅に修正することなく共和党候補に指名されると想像するのは難しい。それでも彼が共和党候補になり、やがて第45代アメリカ合衆国大統領に就任したとしよう。それは民主主義大国アメリカの真価が揺らぎ、世界が差別と偏見に満ちた未来に向かって歩み出したことを意味する象徴的な出来事であるのかもしれない。
 もしもその見方が当たっているなら行き着く先は、例えば世界全体がイスラム過激派ISの支配下に入って、自由と正義を奪われて絶望の中で生きている悪夢のような未来、と言っても驚きではないのではないか。
 ではそんな世界では沖縄の基地問題はどうなるのか、と僕はあえて考えてみたりもする。結論は多分「なにも変わらない」である。誰がアメリカ大統領になろうが沖縄問題には大差がない。なぜなら基地問題は「日本国内」における差別の問題だからだ。
 政府・官僚が沖縄への有形無形の、あるいは直接間接の差別をやめて、基地の縮小・移転を訴えればアメリカはそれに従うだろう。あるいは構造的差別などというあいまいな言葉で言われる差別ではなく「一部本土国民による明確な沖縄差別」がなくなれば基地問題は解決するだろう。ということはつまり、沖縄は何が起きても抗議の声を上げて闘い続けるべき、ということである。
(仲宗根雅則、TVディレクター)