大統領、辺野古遅れ懸念 首相「急がば回れで和解」


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】訪米中の安倍晋三首相は3月31日午後(日本時間4月1日)、オバマ米大統領とワシントンで会談した。オバマ氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる国と県の代執行訴訟の和解受け入れによる移設計画の遅れに懸念を表明、「大きな支障がないようにしてほしい」と強調した。首相は「辺野古は唯一の解決策である立場は不変だ」と理解を求めた。

 会談でオバマ氏は和解により移設工事が中断していることを踏まえ、「工事がどれくらい遅れるのか。その場合、現在の普天間がどのような形で使えるのか」と問いただし、移設計画の先行きを懸念した。これに対し、首相は代執行訴訟などについて説明し、「急がば回れの考えの下、和解を決断した」と強調した。
 オバマ氏は「全面的に首相の戦略を理解し信頼している。対応してほしい」と述べ、引き続き緊密に協議する必要性を指摘した。
 また両首脳は在沖海兵隊のグアム移転や嘉手納より南の米軍施設の返還など沖縄の負担軽減に引き続き取り組むことをあらためて確認した。だが首相は政府が2019年2月までに実現すると県に約束した普天間の運用停止(5年以内の運用停止)について、米側の協力は求めなかった。
 首相は5月の主要国首脳会議で、世界経済をけん引するため明確なメッセージを出すと伝達した。