宮古で海保船衝突、15人けが 船首大破、「入港進路誤り」


この記事を書いた人 志良堂 仁

 宮古島海上保安署所属の巡視船「のばる」が平良港沖合の防波堤に衝突し乗組員が負傷した事故で、乗組員15人のうち3人が顔面やあばら骨、左腕を骨折したほか、残り12人も打撲などのけがを負っていたことが分かった。第11管区海上保安本部が9日、発表した。全員命に別条はない。船首部分が大破していることから、かなりの速度で岸壁にぶつかったとみられる。11管によると、油もれは確認されていない。

 11管は「入港進路の誤りが事故原因の一つと考えられる」としており、乗組員に事故当時の状況を聞くなどして調査している。
 11管によると、衝突したのは港から北北西に約4キロの地点。8日午後9時ごろ、周辺海域の夜間パトロールを終えて帰港する際、何らかの原因で港の沖合にある防波堤に衝突した。出港時間や詳しい業務内容などについて「保安上答えられない」としている。

防波堤に衝突し、船首が大破した宮古島海上保安署所属の巡視船「のばる」=9日午後4時半ごろ、宮古島市の平良港

 11管は9日、他の船が入港する際の妨げになるなどの影響が出ることから、衝突し、大破した「のばる」の船体を防波堤付近から港内に移動する作業を行った。午後0時30分ごろに船体が防波堤から離れ、午後3時45分ごろ、自力航行が不可能な状態でタグボートにえい航され、平良港内に入港した。
 平良港には多数の市民が様子を見に訪れた。散歩中の男性は大破した船首を見て「海の安全を守る海上保安庁がこれでは」と首をかしげた。