全基地撤去4割超 女性遺棄事件で沖縄県民調査 海兵隊撤退は53%


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 琉球新報社は沖縄テレビ放送(OTV)と合同で5月30日~6月1日、米軍属女性遺棄事件を受けて18歳以上の県民を対象に世論調査を実施した。米軍関係者の事件事故の防止策には「沖縄からの全基地撤去」が最も多く42・9%で、次いで「在沖米軍基地の整理縮小」が27・1%と続き、「兵員への教育の徹底」は19・6%だった。県議会の抗議決議に初めて盛り込まれた「海兵隊の全面撤退」は52・7%で、「大幅に減らすべきだ」の31・5%を上回った。日米両政府が見直しを否定している日米地位協定については79・2%が改定・撤廃を求めた。政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設には83・8%が反対の意向を示した。事件後の安倍内閣の対応について70・5%が支持しないと答えた。基地あるが故の事件の発生で県民の反基地感情の高まりが強く表れた結果となった。

 辺野古移設への反対は2015年6月の調査より0・8ポイント高くなり、12年12月の安倍政権発足以降の調査で最も高い値となった。普天間飛行場の移設はどうあるべきか聞いたところ、「国外移設すべきだ」が最も多く31・5%、次いで「すぐに閉鎖・撤去すべきだ」が29・3%、「県外移設すべきだ」が23・0%だった。「辺野古移設計画を進めるべきだ」は9・2%だった。

 事件後の日米首脳会談で安倍晋三首相が普天間飛行場移設について「辺野古が唯一」と米側に伝達し、日米地位協定改定には触れなかったことについて、安倍首相の対応を「支持する」としたのは7・2%にとどまり、「支持しない」が70・5%となった。自民党支持者でも不支持が33・3%で最も多かった。

 日米地位協定については「根本的改定」が44・9%、「全面撤廃」が34・3%だった一方、政府が掲げる「運用の改善」は15・2%となった。自民党支持者でも63・6%が改定・撤廃を求めた。

 日米安保条約については、「平和友好条約に改めるべきだ」が42・3%で最も多かった。「破棄すべきだ」が19・2%、「維持すべきだ」が12・0%だった。

 今回は、改正公職選挙法で7月の参院選から有権者となる18、19歳も新たに対象として調査した。

英文へ→Over 40 percent of Okinawans want bases withdrawn and 53 percent want Marines withdrawn