命救った壕に感謝 平和祈り潮平権現祭 糸満市


この記事を書いた人 新里 哲
沖縄戦中に住民の命を救った壕に感謝して、壕入り口で手を合わせる潮平区民ら=9日、糸満市潮平権現壕

 【糸満】沖縄戦中、500人以上の避難民の命を救った自然壕(ガマ)に感謝する「潮平権現(ごんげん)祭」が9日、糸満市の潮平と阿波根との境にある通称「潮平権現壕」の前であった。住民が投降した旧暦5月5日に毎年開いている。区民ら45人が参加し、壕の前にごちそうを供えて手を合わせた。

 同壕には1945年3月23日から約3カ月間、潮平の住民が避難した。日本軍に追い出されたが、住民たちは再び壕に戻り、6月14日にほぼ全員が米軍に保護された。

 当時、壕に避難した金城正篤さん(81)は「攻撃が激しくなると壕内で飯炊きをした。煙が苦しくて地べたにはいつくばって耐えた」と振り返った。

英文へ→Praying for life-saving cave and peace at Shiohira Gongen Festival