医療法人 禄寿会 小禄病院 医療機関トップインタビュー


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「その人らしさを大切に」

◆医療法人 禄寿会 小禄病院 髙江洲 良一 理事長

-病院のご紹介をお願いします。
 内科では総合診療を行っています。近隣の高齢者介護施設から来院される患者さんも多いのですが、高齢になると単一疾患だけでなくいろいろな病気を抱えるようになるので、総合診療には地域的なニーズがあります。生活習慣病の診療やその合併症の予防にも力を入れ、糖尿病や高血圧の専門外来も設けています。眼科には新たな医師が赴任し、硝子体手術が可能になりました。
 小禄病院70床、禄寿園80床のほか訪問診療も160件を担当しており、常に310床を抱えているという意識を持っています。

-訪問診療にこだわるのは。
 通院が難しい方、在宅での介護、みとりを希望される方などさまざまなご事情やご希望がおありの方のために、訪問診療は若いころからずっと続けています。私も子どものころ、具合が悪い時に医介輔の先生が往診に来てくださり、よく覚えているんです。訪問診療は夜中の呼び出しなど大変なこともありますが、患者さんの生活習慣がよく分かりますし、患者さんの状況を見ながら診察ができます。これは訪問診療の醍醐味ですね。

「謙虚に思いやりを持って患者と接する」を信条に、訪問診療にも力を入れる髙江洲良一理事長

-看護ケアにも定評があります。
 患者さんを身体・精神・社会面などいろいろな方向から理解し、その人らしさを大切にする看護を心掛けています。看護部が勉強会を要望することも多く、院内ゼミなどで研鑽を重ねています。
 退院支援も重視しています。退院後帰宅されるのか、施設へいらっしゃるのかによって、当院のケースワーカーや施設スタッフなどを交えて情報を共有し、介護保険のレベル、訪問診療・看護、通所ケアが必要かどうかなどを話し合います。今後も地域の連携を取りながら、患者さんが退院後も自分らしく過ごせるよう取り組みます。

 医療とは急性期医療だけを指すのではありません。人は必ず死を迎えます。最終的なみとりまで含めて、患者さん一人ひとりにとっての幸せを考える医療提供を心掛けています。病気という人の不幸で仕事をさせていただいている以上、職員には常に謙虚に、思いやりを持つよう伝えています。

内科の総合診療をはじめ、眼科や整形外科などの診療を行う小禄病院

-県民に伝えたいことは。
 脳卒中や心筋梗塞などは急に起こるイメージがありますが、症状のない生活習慣病を放置した結果引き起こされる、末期的な合併症です。そうならないよう、症状がない健康な人こそ、健診や人間ドックを受けてほしいと思います。

 

医療法人「禄寿会」小禄病院

【診療時間】

午  前 8時30分~11時30分まで
  (診療開始 9時00より)
午  後 13時30分~16時30分まで
  (診療開始 14時00より)
夜  間 17時30分~19時30分まで
  (診療開始 18時00より)
※夜間は、水曜日と金曜日:内科のみ
休 診 日
土曜日 午後、日曜日・祝日
年末年始(12月31日~1月3日)

〒901‐0152 沖縄県那覇市字小禄547番地の1
TEL:(098)857‐1789 / FAX:(098)857‐6554

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