好評、病院ボランティア 治療の不安和らげる 琉大付属病院・小児科外来


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子どもたちと遊ぶ病院ボランティアの増谷紀代香さん(右)と、服部由貴子さん(左)=3日、西原町の琉球大学医学部付属病院

 琉球大学医学部付属病院(西原町)の小児科外来で、昨年9月から病院ボランティアが活動を始めている。病児ときょうだい児の遊び相手や見守りのほか、家族の話に耳を傾ける。母親からは「子どもが楽しそうに遊んでいるから受診の待ち時間が苦にならなくなった」と好評だ。同病院は現在、週2回ボランティアを配置しているが今後、配置日を増やしたいとして、希望者を募っている。

 病院ボランティアは、院内に家庭的な雰囲気など“日常”をもたらし、治療への不安を和らげる存在として、全国的に受け入れが進んでいる。養成講座を主催する「NPO法人こども医療支援わらびの会」によると、県内では同付属病院と県立南部医療センター・こども医療センターで、ボランティアが活動している。

病院ボランティアとして活動し、病児やその家族を支える増谷紀代香さん、星野武正さん、服部由貴子さん(写真左から)=3日、西原町の琉球大学医学部付属病院

 同付属病院で活動するのは自営業や専業主婦、退職教員ら7人。養成講座を受講した後、活動を始めた。3日は星野武正さん(70)と服部由貴子さん(37)、増谷紀代香さん(47)が、子どもたちと折り紙を折ったり、積み木やままごとを楽しんだりして過ごした。30代の母親は長男の受診中に、5歳の長女をボランティアに託した。「いつもは診察室に連れていくので慌ただしいが、今日は医師とゆっくり話ができた」と実感を込めた。

 同付属病院の金城紀子医師は「お母さんたちの安心感につながっている。人数が増えたら病棟にも入ってほしい」と期待を寄せている。兼次拓也医師は「診察室に入ってくる子どもの表情が明るくなった。ボランティア活動が浸透してきている」と実感を込めた。

 ボランティアの増谷さんは週1回、病院へ赴く。「自分が一緒に遊んでもらっている気がするが、感謝されるとうれしくて」とほほ笑んだ。星野さんは保護者の話に耳を傾け、ぐずる子には「どんな遊びが好きなの」と話し掛ける。「心地良く過ごせることを大切にしている」と話した。

 わらびの会は、11日にこども医療センターでボランティアの養成講座を開く。ボランティア活動は講座受講後、諸手続きを経て病院への登録が必要。講座の申し込みはわらびの会(電話)098(888)6605、「わらびの会」で検索すれば、ネットからも申し込みができる。