【ブラジル】古里の名曲 熱唱 民謡大会 伊波さん、西川さん優勝


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「第22回民謡大会」で一般の部で優勝した西川アーウヴァロ光則さん(左から2人目)、グランプリ受賞の伊波政忠さん(同3人目)、城間信雄実行委員長(右端)

 琉球民謡保存会ブラジル支部(城間伸明支部長)主催の「第22回民謡大会」が9日、サンパウロ市のブラジル沖縄県人会本部会館大講堂にて催された。51人の歌い手が一般・高齢、さらに新人・優秀・最高の部門に分かれ喉を競い合った。そのうち特別出演したのが8歳と10歳の2人。サンタ・クラーラ支部の屋良カミーラさん(8)が「涙そうそう」を歌い、ペーニャ支部の百名エンヒ君(10)が「十九の春」を歌った。

 母県本部主催の「民謡の祭典」への出場権を得るグランプリに輝いたのは、高齢者の部で伊波政忠さん(54)、一般が西川アーウヴァロ光則さん(29)だった。

 三線歴8年の伊波さんは1962年生まれで、15歳の時に旧石川市(現うるま市)から家族と共にブラジルへ移民。現在サントス市で暮らしており、親から譲り受けた三線でサント・アンドレー支部の城間伸明氏に師事している。

「十九の春」を歌う百名エンヒ君(屋良エリザベッチさん提供)

 「トゥバラーマ」で一般の部を優勝した西川さんは八重山民謡が好きという。日系3世で母は福岡県、父方は静岡県と山形県にルーツを持つ。沖縄出身の先祖はいないものの、沖縄系の親戚の影響で沖縄の音楽が好きになった。三線を弾きたいという気持ちでブラジル沖縄県人会に問い合わせ、2010年から米須正氏に師事。言葉は分からないが先生から説明してもらっている。「沖縄社会は温かく受け入れてくれる。それが好きです」と笑顔で話してくれた。

 今後も琉球民謡保存会に貢献し、来年の「『民謡の祭典』までに早弾きもできるようになりたい」と抱負を語った。西川さんはウチナーンチュ大会にも参加する予定。

 各部門の1位入賞者は次の通り。(敬称略)

▽新人高齢者の部・玉城エロイーザ(ビラ・アルピーナ支部)「謠ぬ道」

▽新人一般の部・知花レオナールド(グァルーリョス支部)「ハイサイおじさん」

▽優秀高齢者の部・田港やす(ジャバクァーラ支部)「嘆きの梅」

▽優秀一般の部・内間さちえ(サンタ・クラーラ支部)「なりやまあやぐ」

▽最高高齢者の部・座嘉比八重子(サント・アンドレー支部)「帰らぬ我が子」

▽グランプリB部・宇根美代子(サントス支部)「道芝」

▽グランプリ高齢者の部・伊波政忠(サントス支部)「逢ちゃいぶさや語いぶさや」

▽グランプリ一般の部・西川アーウヴァロ光則(青壮年会)「トゥバラーマ」
(城間セルソ秀明通信員)