「古酒の郷」整備を促進 沖縄県酒造組合が重点施策


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泡盛業界の中長期重点施策を発表した県酒造組合の玉那覇美佐子会長(中央)、大城勤副会長(右)、松田亮副会長=28日、那覇市の県酒造組合

 県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は28日、泡盛業界の振興に向けて5年間の中長期で取り組む重点施策を発表した。資金不足で整備が遅れる泡盛貯蔵施設や、博物館を備える予定の「古酒の郷」について今後、オリオンビール(浦添市)の支援を受けて整備を進める。

 古酒年数表示の厳格化により、実質的に出荷が認められていない「仕次ぎ」について、科学的な検証を実施した上で公正競争規約に「仕次ぎ」に関する規定を盛り込む方針を示した。

 重点施策は11年連続で減少する泡盛の出荷量に歯止めをかけるのが目的。5年後の県内出荷目標値を2015年の1万6368キロリットルから約1万7千キロリットルに、県外出荷を2879キロリットル(15年)から2倍強の約7千キロリットルに設定した。

 重点施策では現在、輸入する泡盛の原料インディカ米を県内で生産するため、今後3年間で研究・開発を行い、21年に県産米を使用した泡盛を試験製造する計画を打ち出した。琉球王朝時代に首里城内で泡盛を貯蔵していた「銭蔵」の復元を関係機関に要請する。泡盛の乾杯条例制定に向けて市町村に働き掛け、琉球料理・泡盛文化の世界無形文化遺産登録に向けた活動も推進する。

 玉那覇会長は「今後の成長戦略となる重点施策だ。女性や若者も飲める泡盛のリキュールやカクテルにも力を入れたい」と話した。