【名護】名護商工高校地域産業科観光コースの生徒18人は、沖縄戦当時に同年代だったひめゆり学徒隊やなごらん学徒隊、県立三中(現・名護高)、県立一中(現・首里高)の戦争体験の証言を聞き、沖縄戦の経過を学んだ成果を北部地区の小中学校へ出向いて伝える「平和出前講話」を実施している。9月から11月まで8校で講話を予定しており、さらに受講を希望する小中学校を募っている。戦争当時10代だった人々が体験した戦禍や今の子どもたちが平和のためにできることを同年代の目線で分かりやすく伝えている。
10月18日には同校の生徒9人が国頭中学校へ出向き、中学生約40人を対象に出前講座を実施した。沖縄戦中、日が暮れると野戦病院に負傷兵が次々に運ばれて学徒らが看護した様子や、山中で軍事訓練をした様子などを紹介した。また、日本兵として召集された少年が死を覚悟する心境などを盛り込んだ母への手紙も朗読した。その上で学生が平和のためにできることとして「多様性を認める」「相手を思いやる心」を心掛けることなどを挙げた。
講座を聞いた国頭中2年の宇良李涼(りずむ)さんは「改めて戦争の恐ろしさを知り、平和に感謝したいと思った。今、私たちにできることをやっていこうと思った」と先輩たちへ感謝の言葉を述べた。
国頭中卒業生で名護商工高校2年の山城萌さんは「小中学生に伝わるように、重要な点をゆっくり話すなどの練習をした。戦争を体験した方々の一人一人に(違う)体験がある。もっと勉強し、若い世代へ伝えていかないといけない」と語った。(古堅一樹)