泡瀬埋め立て、1地点で汚濁 守る会が確認


この記事を書いた人 志良堂 仁
最新の調査結果について説明する泡瀬干潟を守る連絡会の(左から)屋良朝敏さん、前川盛治事務局長、小橋川共男さん=13日、県庁

 国と県が進める中城湾港泡瀬地区の埋め立て事業に伴い、周辺海域の濁り・汚濁を独自で調査している泡瀬干潟を守る連絡会は13日、県庁で会見を開き、昨年末の調査で人工島周辺9地点のうち1地点で他地点と比較して高数値の汚濁が確認されたと発表。同工事が海洋汚染に加担しているとして、工事の即時中止を訴えた。

 連絡会の調査によると、沖縄総合事務局が担う浚渫土砂揚土工事周辺海域で検出された汚濁(FTU)の数値は3・4で、他の地点や同地点の2015年度調査と比べて高かった。同連絡会の前川盛治事務局長はFTUについて「環境基準値はないが、昨年と同条件にもかかわらず数値が上昇していることが問題」であると指摘。沖縄総合事務局に汚濁調査の実施も要請した。
 同地点は濁り(SS)の数値も他地点より高かった。
 屋良朝敏事務局次長は「辺野古新基地建設でも予定される土砂等の埋め立てが、沖縄の自然環境に与える影響は計り知れない」と述べ、全県的に急進し、沖縄島独自の沿岸地形をも崩す埋立事業に警鐘を鳴らした。
 同連絡会は会見後、沖縄総合事務局を訪れ、工事の差し止めと汚濁調査を実施するよう要請した。【琉球新報電子版】