辺野古、国が生コン設備着工 県は埋め立て工事転用懸念


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米軍キャンプ・シュワブ陸上部での生コンプラント建設が始まった造成地(中央の赤土部分)。重機で地面をならすような作業が確認できる=17日午後6時すぎ、名護市辺野古(小型無線ヘリで撮影)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴い米軍キャンプ・シュワブ陸上部で進められている関連施設の建設に絡み、沖縄防衛局が工事加速のために生コンクリートプラント(製造機)の建設に着工したことが17日までに分かった。生コン製造機を巡って防衛局は、シュワブ陸上部の工事のために建設すると県に説明してきた。これに対して県や市民団体はシュワブ沿岸部で進む辺野古新基地建設の埋め立て工事にも将来的に転用される懸念があるなどと指摘し反対してきたが、防衛局は着工に踏み切った。

 建設場所はキャンプ・シュワブ内の南側で辺野古漁港側に面した沿岸域に近い付近。17日は重機が整地のような作業をしている様子が確認された。

 昨年3月に辺野古埋め立て承認取り消しを巡る代執行訴訟で政府と県の和解を受け、辺野古新基地建設に関する工事が中断した。その後、防衛局側は埋め立てと無関係の陸上部の隊舎建設などの工事再開で県に理解を求めてきたが、その中に陸上の生コン製造機建設も盛り込まれていた。これに対し県は、基地内で埋め立てに必要な資材が準備される懸念があるとしてプラントの建設には反対の姿勢を示していた。

 生コン製造機は抗議運動の影響を避ける目的で和解で作業が止まる前から計画していた。従来から進めていた陸上部の工事では、ゲート前の抗議活動により陸上部の工事に必要な生コン車の出入りが円滑に進まず、生コンが固まって使えなくなる事態が続き、2014年12月ごろから作業を中断していた。

 辺野古埋め立てを巡る和解を受けて、県は移設計画に関係する一切の工事は認めないと主張。防衛局は海上作業を中断した。その一環で陸上部の隊舎建設も中止し、陸上の生コン製造機建設も作業を見送っていた。

 だが昨年12月の最高裁判決で県が敗訴したことを受け、政府はプラントの建設に着手した。

英文へ→Government starts building concrete plant at Henoko, Okinawa concerned it will be used for land reclamation