泡盛の魅力、世界へ アプリ開発など提言 ビジネスセミナー


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泡盛の輸出拡大に向け、さまざまな方策を提言する登壇者ら=4日、那覇市の沖縄都ホテル

 日本文化を世界へ発信する「クールジャパン」戦略の関連イベント「泡盛ビジネスセミナー」が4日、沖縄都ホテルで開催された。討論では、泡盛の歴史や各酒造所の特長などを紹介するアプリケーションの開発や泡盛ナンバーワンを決める競技会の開催、料理人やバーテンダーとの関係強化による泡盛の需要拡大など泡盛の輸出増に向けてさまざまな方策が提言された。

 討論会には、日本酒の普及活動に取り組むはせがわ酒店社長の長谷川浩一氏、俳優で焼酎ソムリエ「焼酎〓酒師(ききさけし)」の資格を持つクリストファー・ペレグリニ氏、地方創生などに取り組む元気ジャパン代表理事の渡邉賢一氏、県酒造組合会長の玉那覇美佐子氏、県酒造協同組合理事長の大城勤氏の5氏が登壇した。進行は内閣府知的財産戦略推進事務局政策参与の浜野京氏が務めた。

 長谷川氏はソムリエによる泡盛の順位付けや味の良しあしを競う競技会開催などを提案。ペレグリニ氏は英語や中国語など多言語で泡盛を紹介するWebサイトやアプリケーション開発などを提言した。2人の提案に対して玉那覇会長は「モバイルを活用して世界中にもっと情報発信しなければならない」と述べた。

 大城理事長も情報発信が不足とした上で「泡盛に最も大事なのは背景にある『物語』だ。泡盛の原点は熟成する文化で、世界の蒸留酒で唯一、個人が育てることができる。他の酒との差別化を図るためにもかめ作りの推奨や物語を伝えないといけない」と力説した。

 渡邉氏は来年1月に米ロサンゼルスに日本文化の発信拠点である「ジャパン・ハウス」が開店することを説明した上で「そこで泡盛も発信したい。発信力を強めるには、ソムリエやシェフなどの関係者、飲み手との関係強化が重要だ」と述べた。

※注:〓は口ヘンに「利」