理不尽の構図を刻む 「まぶいぐみ写真展」 出品者らが座談会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ヘリパッド建設やオスプレイ事故に関する写真について意見交換する(右から)小橋川共男さん、牧志治さん、進行役の琉球新報社の松元剛読者事業局次長ら=2日、那覇市の琉球新報社

 写真展などを企画している沖縄県内の写真家有志「まぶいぐみ」による作品展「ドキュメントぬじゅん巡回展」(同実行委員会主催、琉球新報社共催)のギャラリートークが2日、那覇市天久の琉球新報社で開かれた。写真家の小橋川共男さんや牧志治さんが、米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設現場の写真や、2016年12月の名護市安部へのオスプレイ墜落に関する写真について語った。沖縄の過重な基地負担を巡る理不尽な構図を写真に表現していると紹介した。

 小橋川さんは、ヘリパッド建設への抗議行動をする市民らを機動隊員らが制止する一方で、むき出しの赤土の上で作業をする重機を1枚の写真に収めたことを紹介した。その上で「辺野古でも、高江でも機動隊がなぜここにいるのか疑問だった。抑圧する力に対し、どれだけの反撃力になるかは分からないが、カメラマンとしてしっかりと撮るしかない」と語った。

 オスプレイが安部に墜落した翌日に現場海域に潜水し、大破した機体を撮影した牧志さんは「(集落近くに落ちた機体の状況を)たくさんの人に見てもらいたい」と日常生活の中にはらむ危険な現実を指摘した。

 那覇での写真展は5日で終了し、8日から16日までは名護博物館で行われる。8日午後2時からギャラリートークが行われ、小橋川さん、牧志さんに加え、地元の島袋正敏さんも発言者として参加する。