衰弱イルカ 救助に一丸 嘉手納マリーナ


この記事を書いた人 琉球新報社
保護されるコマッコウのオス=17日午後2時すぎ、嘉手納町兼久の嘉手納マリーナ

 【嘉手納】負傷したイルカ1頭が17日、嘉手納町の米軍嘉手納マリーナで保護され、本部町の海洋博公園で治療を受けている。イルカは衰弱しており、同日午後8時現在、呼吸を保って水中で平衡感覚を維持できるようになったが、予断を許さない状態だ。同公園動物管理チームの飼育員と獣医師が観察を続けている。

 保護されたのはコマッコウのオスで、体長222センチ、体重160キロ。17日午前10時ごろ、波打ち際に打ち上げられていたところを釣り人らが発見。遊泳客やマリーナ職員が交代でイルカの体を支え、安全を確保した。約3時間後、海洋博公園職員が駆け付け、応急処置をしながら同公園に運んだ。

 衰弱の原因は不明だが、全身に傷があり、ダルマザメにかまれた跡も見つかっている。検査の結果脱水症状が明らかになり、対処した。保護された現場に居合わせた高橋りかさん(40)=宜野湾市、看護師=は「動きが鈍くなっていく様子を見ていたので心配だ。元気になってほしい」と語った。