沖縄発、バリで鶏ガラ坦々麺 藤崎さん「交流の懸け橋に」


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インドネシア・バリ島で提供予定の鶏ガラベースの担々麺

 沖縄県那覇市で2003年に「ラーメン武蔵家」を開いた藤崎育弘さん(43)が、本年度中にもインドネシア・バリ島にラーメン店を出店する。現地の人の好みや宗教事情などを踏まえた鶏ガラのスープに鶏の空揚げや卵などをたっぷりのせたピリ辛の担々麺を主力に販売する戦略で、フランチャイズによる多店舗展開も目指す。「沖縄で受け入れられたラーメンを、同じチャンプルー文化があるインドネシアでも広めたい」と語った。

 藤崎育弘さん

 藤崎さんはラーメン店を那覇市で3店、昨年12月に進出した中国・上海で1店経営する傍ら、琉球大観光産業科学部で学ぶ現役の大学生でもある。東京出身ながら「沖縄の居心地の良さを気に入って」沖縄にラーメン店を開いた。琉大教授と共にバリ島を訪ねた際に「バリにも沖縄のような居心地の良さを感じた」といい、出店を決めた。

 今月現地法人を立ち上げ、営業許可の申請を進めるなど開設準備を進める。

 インドネシアはイスラム教徒が多く、宗教上豚肉を食べない人が多い。バリ島は牛を神聖なものとして食べないヒンドゥー教徒も多く、豚、牛を使わない鶏ガラのピリ辛ラーメンを中心に勝負を仕掛ける。

 バリの店舗で働いていた人が日本への留学を希望した際には沖縄の店で受け入れ、バリに戻る際にはラーメン店の経営を支援することも検討し「沖縄とインドネシアの交流の懸け橋になりたい」と語った。