学徒の悲劇、次代へ 白梅慰霊祭のDVD制作 平和教育へ活用に期待


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DVDの完成について記者会見し、戦争の悲惨さを次世代へ語り継ぐ決意を新たにする白梅同窓会の中山きく会長(右から2人目)や武村豊副会長(同3人目)ら=19日、那覇市の県庁

 沖縄戦で旧日本軍に従軍し看護活動などを担った県立第二高等女学校の元女子学徒らでつくる「白梅同窓会」(中山きく会長)と白梅協力会(翁長健治代表)は、昨年6月23日の第70回白梅之塔慰霊祭の模様をはじめ、白梅学徒の足跡や慰霊祭出席者へのインタビューなどを記録したDVDを制作した。戦争体験を学んだ高校生らがガイド活動をする様子も記録している。両会では、平和教育への活用を呼び掛けている。

 白梅同窓会と白梅協力会が19日、那覇市の県庁記者クラブで記者会見し発表した。

 DVDは琉球放送の新里勝彦元報道局次長が撮影や監督を務めた。冒頭で沖縄戦の流れや解散命令の後に多くの犠牲者が出た白梅学徒の足跡を紹介した。慰霊祭の場面では、中山会長があいさつに立ち「今でも地獄のような戦場の様子がよみがえり、決して沖縄戦を忘れることはできない」と悲惨さを語る様子が収録されている。

 沖縄尚学高校地域研究部の生徒たちは約13年間、白梅の学徒の足跡をたどる学習やガイド活動を続けてきた。映像には同部の生徒らが昨年6月23日、白梅の学徒たちが看護活動をした避難壕を訪れ、ガイドをする模様も登場する。

 記者会見で武村豊副会長は「次代を担う子には戦争を体験させたくない」と話し、DVDの平和教育などへの活用に期待を込めた。

 DVDに関する問い合わせは白梅同窓会(電話)098(867)0536。