「集団自決」むごさ実感 JR東労組、渡嘉敷で平和研修


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
渡嘉敷村の集団自決現場を訪れたJR東労組の吉川委員長(2列目左から2番目)と幹部リーダー=8月27日

 【渡嘉敷】JR東労組(東京、吉川英一中央執行委員長)は、組合員を対象とした沖縄平和研修を30年連続で実施している。沖縄戦で米軍が最初に上陸した慶良間諸島で平和、自然、文化を学ぼうと、吉川委員長はじめ幹部ら14人が8月26日から2泊3日の日程で渡嘉敷村を初訪問した。

 組合員数約4万8千人のうち、沖縄平和研修で沖縄を訪れた組合員は30年間で延べ約3万人という。参加者は同青年部を主体に、県内各地の戦跡、平和祈念資料館、ひめゆり資料館などを巡り命や平和の尊さについて学ぶほか、名護市辺野古への新基地建設に反対する米軍キャンプ・シュワブゲート前での座り込みや、5・15平和行進などにも参加しているという。

 一行は地元の平和ガイドを講師に、講話や島内の「集団自決跡地の碑」「旧日本軍赤松隊本部壕跡地」「白玉之塔」「旧日本軍特攻艇秘匿壕」「アリラン慰霊のモニュメント」(朝鮮人慰安婦慰霊碑)などの他、名所旧跡なども巡った。吉川委員長は「幹部主体で訪れ次回の研修につなげることができた」と語った。

 森優政策担当部長は「平和について考えるには、沖縄戦のむごさを示す『集団自決』を学ぶことが重要だと理解できた」と力を込めた。菅原静二郎さん(36)=仙台市=は「沖縄戦の悲惨さについて、沖縄本島や教科書などで学べなかったことを現地で新たに学ぶことができた」と語った。
(米田英明通信員)