【名護】名護市大川の新たな名物にしようと造られた直径5メートルの鉄製水車が盗難に遭い、所有者が情報提供を呼び掛けている。警察に届けたが、2カ月以上たっても手掛かりはなく、水車を造った銘苅清孝さん(65)=名護市=は「どんな形でもいいから戻してほしい」と訴えている。
水車は10年以上前に造り始めた。銘苅さんの祖母の時代に、サトウキビを搾るのに水車を使っていた風景を再現するとともに、発電にも利用する予定だった。大川区も協力して水車周辺に池を整備し、近く設置する計画があった。
盗難に遭った10月5日は行き止まりになっている区内の路上に水車を置いていた。男2人がトラックで運び去るのを奥村幸盛区長が目撃。銘苅さんが目撃情報を探したところ、同日午後3~4時の間に名護市東江を通り、国道58号を南へ去ったことが分かった。
スクラップ工場にも問い合わせたが、水車らしき部品が持ち込まれた形跡はないという。奥村区長は「移動したのかと思ったら、盗まれたと聞いて驚いた。区の名物になるはずだったのに。返してほしい」と残念がる。銘苅さんは「発見につながる情報があれば謝礼も検討している」と話した。